【スタッフ】
アニメーション制作:マッドハウス(電脳コイル、大江戸ロケット)
監督:中村亮介(モンスター(監督助手)
シリーズ構成:村井さだゆき(巷説百物語、千年女優)
キャラクター原案:CLAMP(コードギアス)
OP:『Lost in Blue』ナイトメア / ED:『NAKED LOVE』ナイトメア
【キャスト】
京極堂(中禅寺秋彦):平田広明 関口巽:木内秀信
榎木津礼二郎:森川智之 木場修太郎:関貴昭
柚木陽子:久川綾 烏口守彦:浪川大輔
青木文蔵:諏訪部順一 楠本頼子:高橋美佳子
楠本君枝:津田匠子 柚木加菜子:戸松遥
美馬坂幸四郎:田中正彦 中禅寺敦子:桑島法子
関口雪絵:本田貴子 雨宮典匡:檜山修之
謎の男:古谷徹 増岡則之:三木眞一郎
石井警部:宇垣秀成 福本巡査:うえだゆうじ
笹川:小山力也
魍魎の匣HP
http://www.ntv.co.jp/mouryou/
→2話感想頁はこちら
「魍魎の匣」は何を隠そう今期最も楽しみにしていた作品です!
さて、アニメ本編の感想に入る前に、多少の予備知識として、
原作、京極夏彦著「魍魎の匣」について言及させていただきます。
まずストーリーですが、ジャンルとしてはミステリーです。
「誰かが死に、事件解決」まあ、べらぼうに短くするとこうなります。
少し肉をつけると、その犯罪には物の怪や血縁、はたまた科学だったりと、
色々なものが複合されて、一つのお話となっております。
文庫単体で観ますと、まず必ず「分厚い」という感想を抱きます。
最新型のPS2の2,5〜3,0倍近くの厚さで、頁数にして本編1040頁です。
だから僕はたった13話で消化しきれるのであろうか、と心配したのですが、
そういえば京極の書籍は会話文がものすごい豊富なんですね。
一つのテーマについて30頁も40頁主に会話で埋める。
そしてまさか声優がそのすべてを台詞として喋るはずない。
だからもしかしたらストーリーに直結した場面を抜き出していって、思いのほかポンポンといいテンポでお話が続いていくかもしれない、と期待したわけです。
小説はすべての文章が伏線のようにうまく絡み合っていますが、流石につらつらと台詞だけを述べるなんて、アニメとしてはどう考えても面白くないですからね。
さて、原作とアニメへの期待などの能書きはこの辺にして、
アニメ1話のあらすじ、感想を書こうと思います。
冒頭、電車で向かい合って座っている男のシーンから物語は始まります。
そして片方の男は匣(箱:はこ)を大事そうに抱えている。
しかもなにやら人型の人形らしきものが入っている。
しかしその人形は喋るようだ。「ほう」と。
匣を抱えていない男は――――生きているのだ、という。
場面は変わり学校。二人の女の子登場。ちなみに時代設定は昭和二十年代末。
1話はこの二人を中心にストーリーが進みます。
楠本頼子(くすもとよりこ)14歳
柚木加菜子(ゆずきかなこ)14歳
有名私立中学に通う頼子は、自らの家が貧しいため、他の同級生と馴染めず、クラスでは浮いた存在であった。
そんな境遇の中、授業中に「六歌仙とは誰か?」という問いを当てられる。
頼子は3人しか判らず言葉に窮してしまい、こんなことも判らないのかと担任に嫌味を言われる。
そんなとき教室の一番後ろに座っていた加菜子が立ち上がり、見事に六歌仙すべてを答える。これが頼子を救った行動となったわけである。
加菜子は美貌とそして聡明な頭脳を持ち合わせ、頼子とは違った意味で浮いた(近寄りがたい)生徒であった。
そのような加菜子に放課後「一緒に帰ろう」と誘われた頼子は緊張してしまい、結局一言も喋られぬままに帰路をなぞった。
しかしその後も不器用ながらも二人は友達となった。彼女らは連れ立って喫茶店へ行き(当時この行動は不良と捉えられるご時勢であった)、外国の音楽を聴きお喋りをした。加菜子は特に文芸誌を好んで読んだ。
頼子にとっては遥か高みの存在であった加菜子に何故自分が友達として選ばれたのか理解できなかった。それを直接訊くと加菜子は「君が私で私が君だからさ」という。加菜子にとって頼子は前世であり、その逆もまた然りということであった。
その際、頼子は「縁の紐」というおまじないのである白い糸を手首に巻いてもらう。オカルトである。
しかし生活に困る、もっぱら金に乏しいと心も荒むのだろうか。
頼子の母君枝は人形の頭を作る仕事をしていて、無理をして娘を私立の学校へいれた。しかし頼子にとってその環境は馴染めないものであったし、なによりそれを笠に着せて物言う母親が疎ましかった。頼子は家で荒れていた。
また楠本家は母子家庭であったが、母に付きまとう笹川という男(彼は人形の身体を作る仕事を営んでいる)にも頼子は嫌悪の気持ちを抱いていた。
ある夜、楠本家に笹川が来た際、頼子は完成した人形を手渡される。
しかしなんとこの人形の口が表情が人間のように動いたのである(頼子の錯覚かどうかは定かでない)
頼子は驚いて家を飛び出す。向かった先は毎夜加菜子と散歩していた道であった。そして加菜子はそこにいた。
加菜子は察しの良い娘であり、頼子が何か途方に暮れた表情をしていることを見抜く。そして夏休みになったら湖を観に旅へ出よう、という。
頼子にとっては夢のような誘いであった。彼女は快諾する。
「楠本君、せいぜい月の光を浴びるがいいよ」
「猫のように生きるんだ、私たち猫には夜がある」
夏休みに入り彼女らは計画を実行に移す。
夜の最終電車でいけるところまで、彼女らはそう計画していた。
しかし当日待ち合わせ場所の駅へ行くと加菜子が今まで泣いていたことに頼子は気付く。そして加菜子は「楠本君、私はたぶんそろそろ・・・」と意味深長な台詞を吐く。
プラットホームで電車を待つ二人。電車が来る。
風が吹く。
にきび・・・。
次の瞬間なぜか加菜子は線路に落ちていた。
とここまでがあらすじです。
一応ミステリーなので丁寧にストーリを追ってみました。
ちなみに1話タイトルの「天人五衰」についてですが、
原作中の文章を咀嚼いたしますと、
天上界に住む所謂天人は下界の人間のように苦しんだり悲しんだりしない。
しかしそんな天人でもやがては衰える。そして死ぬ。
そしてこれがその際の5つの兆し。
「頭上の花鬘がしぼむ」
「衣に垢がつく」
「腋の下から汗が出る」
「目が眩む」
「なんだか楽しくなくなる」
なんだか楽しくなくなってきたら死ぬわけですね。
これらは加菜子が頼子に説明してます。
ちなみに1話は原作では20頁ほどです。
ちょっと前言撤回したくなってきました。
このペースでストーリーまとまるのかな。
でも面白くなりそうな余韻を残してていい感じだと思います。
桜の舞うシーンとかとても綺麗でした。
キャラデザも原案含めCLAMP良い仕事してます!
加菜子のCVが戸松ってのも嬉しい!
頼子がちょっとギアスのロロにみえましたが、それでもかわいいですね。
ちなみに原作では頼子も加菜子に負けじと美少女という設定です。
加菜子はCVがついて、貫禄が増したというか、なんというか。
すごいかっこいいです。そりゃあ頼子も憧れちゃいますよ。
そういえばものすごい百合っぽく描かれていましたね。
一応、頼子は加菜子をもはや女神ともいうべく崇拝しているという設定で、彼女らの関係はあくまで百合ではないようです。
母親が「もうりょう」と叫ぶシーンはかなり迫力ありました。
なにやら不穏な空気をぼっちり演出してます。
さてさて、来週は主役とも言える京極堂がついにお目見えするのでしょうか。
来週も期待!
※以下感想はネタバレ含みます。※
純粋にアニメを楽しみたい方は近寄らないほうがいいかもしれません!
まず、御筥様がキャストにいないぞ?これはどうしたことか・・・?
石井や笹川の名があるのに御筥様を載せないってのは可笑しな話だ。
もしや・・・出演しない?笹川に満たないほどの端役?そんなバカな。
あと謎の男ってのは久保のことだろうかね?これも気になるな。
そしてなぜ榎木津は金髪なのだ・・・。
イケメン設定だからって昭和初期に金髪はいかんだろう・・・。
あと作画はまあいいとしてあの気の抜けた「ほー」ってのはなんなのだ!
もうちょい重い声で「ほぅ・・・」と言ってもらいたかったものだが、
肢体ならびに腹までないとあんな声になるのだろうか。
加菜子が頼子の首を絞めたシーンも解せないな。
原作にあんなシーンあったっけ?
あのシーンが今後の伏線となるのならかなり興味深い。
ちなみに一番期待しているのは頼子が匣に詰められているシーン。
もしまんま表現してくれるならポリゴンショックよりも気持ち悪くなる確立は高いと思うが・・・。
あー来週も楽しみだ。