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粗筋
10月、徐々に卒業という節目が近付く。
椋は看護婦を目指し看護学校へ、杏は幼稚園の先生を目指す。
ことみはアメリカへ留学、渚は就職、春原はモデルを、と
皆それぞれ進路に向けて考え、動き出していた。
が、岡崎だけは未だ未定。進路について考えるきっかけを掴み損ねていた。
岡崎はその話を渚とするのが嫌で、
デートにいこうと方向違いの提案をしたりしてはぐらかしていた。
そんな折、渚が体調を崩す。
生死に係わるような大きな病ではなかったが、
微熱が続き、学校へ登校するのが難しくなった。
渚が学校に行けないまま月日は無常にも流れ続け、11月。
岡崎は早苗さんから
「渚は出席日数が足りず、また留年してしまうかもしれない」と告げられる。
「あいつをおいていくのは嫌だ、俺も留年したい」と
岡崎は感情むき出しで自分の意見を述べるが、
秋生に「子供だな、そんなことしたら渚が悲しむに決まってるだろう」
と諌められ、岡崎もそれを理解する、が、納得は出来ない。
そんな悶々とした月日も流れ12月。
24日はクリスマスイヴであり、渚の誕生日である。
一人留年で友達もおらず、坂の途中で立ち止まってしまうような
女の子だった渚であったが、いつのまにかたくさんの友達を作り、
その年の誕生日パーティは皆に囲まれ、例年以上に華やかだった。
そんな聖なる夜は皮肉にも渚の留年が決定した日でもあった。
1月・・・2月・・・3月。
渚は留年も決まっているので、無理をして学校にいくことはなかった。
岡崎は学校へちゃんといき、帰ってきて渚の看病をした。
そして迎えた卒業式。
ついに岡崎と渚が一緒に学校へ行くことはなくなった。
「なあ春原、これから学校の窓割って回らないか」
そんな突飛な冗談を契機に二人は式をエスケープ。
一年の頃から何の因果か春原とはいつもいっしょだった。
そんな二人は幸村先生を見かける。幸村も今年で教師生活に終止符を打つ。
岡崎はその時、春原との出会いを思い出すと同時に一つのことに思い当たる。
「俺と春原を引き合わせたのは幸村なんじゃないか?」
きっとそうだったのだろう。
はみだし者も二人いれば、きっと学校を辞めることなく卒業まで辿り着く。
幸村の長い教師生活の中で、最後に面倒を見た“はみだし者”は、
紛れもなく岡崎と春原だったのだ。
二人は声を揃えて言う、「ありがとうございました」
式を終え、岡崎は学年の集まりをパスし、渚のもとへ。
古河パンの前までつくと、床に臥せているはずの渚が店の前に出ていた。
「部屋にいないと駄目じゃないか」と岡崎は渚の体を気遣う。
「見たかったんです・・・・朋也君の最後の制服姿」
その切なる思いを訊いた岡崎は内なる感情を止めることができなかった。
「しちまったよ、卒業・・・。もうお前と手を繋いで登校することはできないんだ」
「お前と過ごした一年だけは楽しかった・・・幸せだった・・・」
もう一年渚と学校生活を送りたかった、と涙ながらに本音をぶつける岡崎。
「そんなことで足を止めたら駄目です。進めるときは進むべきなんです」
「私はもう一年頑張りますから」
そう笑顔でいう渚は、出逢った頃泣いてばかりいた弱い女の子ではなくなっていた。
「少しだけです、朋也君と手を繋いで歩きたいです」
進めるときは進むべき。
進むことの出来る岡崎と、進みはしないがそこでまた頑張ると決めた渚。
次回、気になる岡崎の進む道のお話。
感想
渚√のtrue endのシナリオでした。さりげなく幸村√も混ぜていましたね。
原作でこれをクリアしたときは「え?ここで終わり?」とびっくりしたものです。
次回からが本当のアフターストーリ、となるのです。
二期に入ってここまでゆっくりと個別シナリオの話だったので、
9話はこれまでに比べてかなり急加速的に話しが進みました。
「渚の留年」という話の展開に原作未プレイの方は驚かれたのではないでしょうか。
兎に角、注目すべきはやはり渚の成長だと思います。
正直、原作クリアもだいぶ前で、1期の終盤以降、渚が話の焦点から
だいぶ外れたところにいたので、9話も単なる岡崎の進路、渚の留年、
そして卒業、とまあこれからアフターに入る為に欠かせないポイントを
満遍なく通過するだけの話だろう、と渚のことはただストーリーの成り立ちの
素材としかみていませんでした。(あくまで視聴する前までは)
ところがどっこい、でしたね。
9話は「渚の成長」という大きな見所がありました。
渚ホント強くなったなあ、友達に恵まれたなあ、
と親でもなんでもないのに誕生日のシーンは胸が熱くなりました。
トリオに加えて智代と有紀寧もいて、スタッフGJとしか言いようがない。
岡崎にだんごのクッションを貰ったときの渚の幸せそうな顔といったら・・・。
そして卒業式後の岡崎とのやり取り。
渚の一言ひとことが温かい印象を受けました。
いつの間にか渚の器量が、か弱い少女から優しいお母さんに成長してました。
というか岡崎と時を共にし、着実に成長していたんだな、としみじみ思わされました。
それに比べて岡崎の停滞前線っぷりがすごい。
もう立場というか心構えが渚と逆転しちゃってますね。
春先は岡崎が渚の背中を押してあげていたのに、
卒業間際は病人である渚に支えられ、道を指し示されるという・・・
なんたる体たらく!
あいつ案外脆いところあるからな、みたいなことを春原が言っていましたが、
岡崎としてはこれまで頑張りすぎたのでしょう。
そして心の底から大切なものが出来てしまった。
大切なものっていうのは生活に彩をつけると共に、
一歩間違うと足枷になってしまうという諸刃の剣だと思うんですよ。
岡崎はこれまで他人をそんなに大切に思う、ということがなかったと思います。
(ことみについてはまだ岡崎も精神面が未発達だったから置いといて)
で、その大切な人がピンチ。自分に出来ることは・・・!
と真剣に考えた結果が“一緒に留年する”という発想だったんだと思います。
ですが、秋生が言うようにそれはほんとに子供の考えること。
もし成立して子供だましの幸せを手に入れても、絶対その後ほつれが出る。
無駄とは言いませんが、岡崎が渚と留年したって、
その間も貴重な時間は確実に流れていきますからね。
一緒にバカやってた春原でさえ就職決めたというのに岡崎ときたら・・・。
まあ勿論岡崎がこのままで終わるわけありません。
それは次話以降に期待、ということで。
で、9話唯一とも言えるギャグテイストで場を盛り上げた春原ですが、
就職活動に向けての黒髪とスーツのシーンは見ることが出来ませんでしたね。
智代シナリオのOVAで既に映像化されてますが、ちょっと期待してましたw
芽衣から電話が来たシーンは「卒業に向けて兄妹仲も円満だぜ」っていう
演出なのでしょうか。今回ほとんどフル面子だったので、
電話越しでもよかったから是非芽衣の声訊きたかったですねw
芽衣からの電話もそうですが、他にも
誕生日に美佐枝さんが猫と一緒に来ていたこと、
有紀寧の「岡崎さんは私たちの恩人ですから」という台詞、
卒業式で、智代の「桜並木の保存が決まった」という報告、
のシーンは今まで立てに立て続け、解決し尽くした√の補完を意味するのでしょう。
それだけでも岡崎はよくやった、といえますね。
さて、長々書きましたが、ここで主の本音を。
CLANNAD2期は正直微妙だと思っていました。
まあ岡崎の設定上しかたないので、ギリギリの妥協線上の話が続くなーと。
でもそう思うのは前回まで、かもしれないです。
9話みて、何やかや今までやってきたサブキャラの√も無駄ではなかったな、と。
そう思ったのはやっぱりみんな集合の誕生日のシーンですね。
あの誕生日会はこれまで渚が空気になりながらも、
それぞれの√に首を突っ込んだ賜物だと思います。
今後もああいった心温まる集合系のシーンがあったらいいなあ、と心から思います。
で、これからアフターに入るわけですが、
ここまで設定上かなりの制約があってちょっと窮屈な感じでしたが、
これからは原作準拠するにあたって、全く支障がないので大いに期待できます。
原作のよさを残しつつ、アニメオリジナルの良さを出す、
このスタッフなら確実にやってくれるはずです。期待!
そういえば仁科さんは最後まで絡みがありませんでしたね。
追記:この記事書いてるときWinampのランダム再生が空気読んで、「小さな手のひら」を再生に選んでくれましたwうむ、いい曲だ。ちなみにその後は「雨が降る」でした。これもまたいい曲だ。