粗筋
朋也が仕事に慣れてきて、少しずつ軌道に乗り始めた夏、
社長から知り合いが現場監督見習いとして若い人間を探している、
そこで朋也を推薦したいと話を持ちかけられる。
それを訊いた朋也は急な誘いに戸惑いを隠せない。
「迷うことはないだろう。大事な人がいるなら多少の苦労は乗り越えられるものだ」
と芳野は朋也の背中を押してくれる。
「芳野さんもそういうこと考えて今の仕事に就いたんですか?」
朋也はふと疑問を口にする。その質問に対する芳野の応えは意外なものだった。
それは昔話、一人のロック少年の話。
要するに大事なものを見失ってはいけないということ。
朋也が社長に持ちかけられた話を渚に話すと渚は何の躊躇いもなく受け入れる。
「朋也君の頑張りが認められたということですから」
朋也は大切な人を養うためにも話を受けることを決めた。
しかしそんな時一本の電話が朋也のアパートに入る。
「あんたの親父さん捕まっちゃったんだよ、警察に!」
なにかマズいものを取引していたらしい。
父親の件が朋也に実害をもたらす。「狭い町だから・・」
新しい仕事の話はなくなり、朋也は恨みと絶望の真っ只中に。
そんな中、唯一の希望、唯一の救いは渚だった。
「渚・・・・結婚しよう」
「はい」
次回へ。
感想
芳野の過去、朋也の父親逮捕と結構中身の詰まった話でした12話。
朋也に元請会社からの打診があって芳野の過去のシナリオ。
主はそのまま芳野シナリオにいくのかと思いましたが、
ほとんど間髪いれずに朋也の父親逮捕されました。
入社数ヶ月で昇進とかねーよ、といわんばかりに話もおじゃん。
朋也が話を持ちかけられたとき戸惑うのはなんとなく判りますが、
まあよくよく考えたら一生下請会社ってのは体力的にもきついものあるし、
上に昇れるときに昇るべきですよね。
そして朋也も芳野や渚の後押しもあってその話を受けようと決めただけに、
他人によってその希望が挫かれるのは当然荒れる理由になる。
父親の件は本当に朋也に同情しますよ。なに余計なことしてんだよ、親父!
芳野の過去といい12話は“犯罪”に手を染めることが
どれだけ人生を狂わすか、ということを堂々と描写していました。
芳野のように自らの過ちによって自らを苦しめた場合と
朋也の父のように人の過ちによって自分に災難がふりかかる場合の2パターン。
主は幸い、そのどちらもこれといって被害にあったりあわせたり
した経験がないのでなんともいいがたいですが、
国というコミュニティにおいての法律の力は流石だな、と
何故か学生時代、延々勉強したことが頭を過ぎりましたw
それはさておき、朋也のプロポーズは完全に勢い任せになってしまいました。
その是非は兎も角、やはり驚かされるのは渚の許容力。
朋也は最高のパートナーを人生でみつけることが出来たようですね。
最近の渚を見ると本当に「強い!!」という印象ばかりです。
クラナドが始まって以来、ずっと渚のパーソナリティの芯となっていたものが
ここへきて、最大限に生かされているような気がします。
本来渚はどちらかというと人を支える側の人間なんじゃないでしょうか。
そんな人間になるにはまず自分を支えてくれる人やモノを探さないといけないし、
そして自分の弱さを知り、受け入れ、改善すべく不断の努力をしなければいけない。
渚は学園生活で朋也や他たくさんの人と出会いそれを身につけたのかもしれません。
逆に朋也の側からすると渚以上の素晴らしい相手はいないのは当然ですが、
渚は“朋也がいれば満足”するタイプの人間だから、
喜ばす手段として具体的にこう、みたいなものが見えづらいともいえる。
だから朋也が存在以外に渚へのプレゼントは久々だったのではないでしょうか。
勿論プロポーズのことです。朋也の状況は芳しくありませんが、
二人が言うようにきっとこの二人なら乗り越えていけそうですよね。
さてストーリーとは別にアニメとしてのクラナド、について。
アフターのシナリオの順序が少し曖昧で記憶が欠如してるところがあります。
だから今回アフター始まって早々に父逮捕シナリオがきたのはびっくりしました。
まだまだ先は長いとなんとなく余裕を持ってみていたクラASですが、
話を詰めれば意外とトントン拍子なのかも。
「狭い町だから・・・」の台詞がありましたが、狭い町だから
当然学生時代の友人や渚のクラスメイトにも伝わり得るのですよね。
渚が学校で「連れの男の親がさ・・・」と妙な噂されないか不安(という妄想)。
卒業式とか結構気まずいだろう・・・。
いやまあ杏らがそんなの気にしない、という朋也の本質を判りきっているだろうから
父親の件で勿論気まずくなることはないだろうけど、
それでもやはり“気にしない”という気遣いが妙な空気を作り出すわけで・・・。
まあアニメでそんな描写はまずされないでしょうけど、
リアルに考えるとどうしてもそんなことを考えてしまいます。
あと12話みて「あ、そうそう」といわんばかりに思い出しましたが、
原作での朋也の(あるいは渚の)プロポーズってどんなんでしたっけ。
この二人が結婚する、というのはもう観る前から明らかだったし、
原作プレイ中も当然の如くゲーム進めていたので全く印象にないです。
一期も含めたこれまでの個別シナリオでは、シナリオ自体がアフターと
比較すると短いから、これがここできてこうなる、みたいな順序を
結構明確に憶えていたのですが、アフターは無茶苦茶長いし、
イベントがくる順序も個別ほど際立って重要じゃなかっただけに
内容は兎も角、順序は印象が薄くて憶えていません。
だから今後、ここでこのシナリオか!みたいな驚きに巡りあえるかも
と思うと俄然楽しみになってきました。
不満を言えば、アフターに入ってもアニメはうまくサブヒロインらを
話に組み込ませてくれるんじゃなかろうか、と少し期待していたので
杏とか椋とか有紀寧とか春原とかその辺ちょっと物足りないですが、
やはり久々に会うからこそいいものなのかな。卒うわなにをするおまえ
次回「卒業」。このサブタイの意味するものは・・・?