_4a05d3252c43b.jpg)
粗筋
今になってやっと貴方の気持ちが判りました。
私は父がいなくなってから日に日に変わっていく貴方がたまらなく嫌だった。
私は若い頃のあの優しく美しかった貴方になりたかった。
その想いが結局はあんな浅ましい行いとなってしまいました。
私はあの人のところへ参ります。
連続バラバラ事件の犯人は久保に間違いはない。では誰が久保を殺したのか。
「本当のことを言え、本当にあの男は加菜子の事件とは無関係なのか」と榎木津。
「中禅寺さん、バラバラの犯人と他の事件の犯人は同一じゃないんですね」と鳥口。
押し黙って座っていた京極堂に次々と質問を浴びせかける一同。
「仕方がない、青木君を見舞いにいくから車の中で話そう」
京極堂は美馬坂と旧知の間柄だった。
京極堂は戦時中彼の研究所で従軍していたのだ。
美馬坂はそこで「死なない研究」をしていた。
具体的には人体のパーツを人工物に換え、
壊れたら換える、という機械人間をつくりだそうとしていた。
ただし最終的にその研究は軍部のニーズと合致しなかった。
美馬坂の研究は天文学的な金をかけ、人ひとりを生かす研究であったからだ。
美馬坂の研究は生命現象の最低限の要件とは何か、であったのである。
骨の髄まで科学者であった美馬坂が一度だけ京極堂に身の上話をした。
美馬坂には過去に別居中の妻がいてその調停のために幾度も書簡のやり取りをした。
京極堂の記憶が確かならば、その書簡の相手の名は「美馬坂絹子」
青木刑事に会う京極堂一行。
警察の情報によると、見つかったのは指の欠損した両腕と両脚。
見つかった場所は町田。箱には入っていなかった。
あの部屋にいたら僕だって娘を殺してしまったかもしれない、
と青木が言うように久保の部屋は異常だった。
バラバラ殺人の犯人は久保に間違いないようである。
ところで、と京極堂は話を変える。
木場の仕事復帰は本日十月一日からだ。木場はどうしたと京極堂は問う。
それが・・・と何か言いづらそうな口調で青木は言う。
朝一番に上司に謝り、捜査にあたるといって拳銃を持って出て行った、と。
「さあ、関口君鳥口君、いよいよ本当の終わりにしよう」
京極堂は青木の病室を出ると足早に車へ向かった。
「一刻の猶予もならない、急いでくれ」と榎木津に車を出すようにいう。
しかし京極堂は乗らない。「確認することが済んだらすぐに追いかける」
と京極堂をそこへ残し、榎木津は車を急発進させる。
事態が飲み込めないのは関口と鳥口だけで、
榎木津は全てを理解しているようである。
車の行方は木場が拳銃を持って向かった場所。
関口らは行き先はおそらく美馬坂の研究所だと見当をつける。
が、榎木津は全く違ったほうへ車を走らす。
時を少し遡り、柚木邸。
陽子のもとに木場は着ていた。
陽子は増岡に柴田耀弘が死んだことを、そして
一ヶ月以内に加菜子の死亡が確認出来ない場合には
陽子を代理人として遺産相続の話を再開すると告げられた。
陽子は柴田耀弘の遺産を相続する、と決めたらしい。
今まで頑なにそれを拒否していた陽子であったが、
それは加菜子に父親のことを知られたくなかったから。
加菜子は未だ生きていると考える陽子は、
戻ってきたときに治療費が要ると考え
遺産相続の話を受けることにしたのだ。
時間戻って柚木邸。玄関から声がする。
金髪長身のその男は陽子がわけも判らぬのにも拘らず車へ乗せる。
その男曰く、あんたの大事に思っている木場が危ない、風前の灯だそうだ。

場面変わって美馬坂近代医学研究所。関口らがいう箱屋敷。
関口らの想像通り木場はそこへ来ていた。軍服に拳銃装備で。
木場が乱暴にドアを蹴破って乗り込む。
一階にいた設備担当の技術屋を押しのけ木場は階段を上がる。
加菜子の消えた部屋、つまり病室には美馬坂が一人でいた。
木場は美馬坂が加菜子を治療する為に他の少女をバラバラにし
繋ぎ合わせた、と考えた。いや、もはや治療ではなく
加菜子すらも材料とし、自らの研究を行ったのでは、と考えていた。
「君の無知には脱帽しよう」と挑戦的な態度で木場の間違いを示す美馬坂。
木場の質問が見当違いだということは訂正しようと答えるが、
自分が何の研究をしているのかは喋らない。
否、美馬坂には喋る必要も義務もない。
木場にとってその美馬坂の態度は煮え切らない。
お前が事件の黒幕なのだろう、全てを喋れ、と思っているからである。
ついに木場は拳銃を取り出し撃鉄をひき美馬坂に突きつける。
次回へ。
感想
さて、前回感想書き足しますというような文を書いておきながら
結局書き足しておりませんが、11話感想です。(しかも遅れ
ここまでだいぶ丁寧に描かれてきた魍魎の匣ですが、もう大詰めですね。
京極堂の意図するもの、木場は何を誤解しているのか、
という謎を残してあと2話、京極堂の解決劇、となりそうです。
今思えば舞台の主がだいぶ変遷しましたね。
加菜子、頼子は消え、鳥口もほとんどついて回るだけ、
木場も陽子も要所では絡んできますが、存在は薄い。
関口もなんとか心の声で存在感を僅かに繋ぎとめていますが、
やはり今、絶好調なのは榎木津と京極堂。
彼らがほとんど全てを知っているだけに話をリードしている印象を受けます。
勿論視聴者も榎木津や京極堂のひと言に踊らされる側ですね。
京極堂は解決する気があるからまだしも、
榎木津は喋ったら喋りっぱなし、自分が特別なものが見えている
という特異な存在であることを忘れたかのような態度で
なにやら意味深な、そして大事そうなことをさらっというので
かなり困惑させられますね。そんな態度が榎木津の魅力なのですけどねw
陽子や京極堂にはっきりしたことを言えというのなら
エノさん、あなたも事の顛末を順序だててはっきり言ってくださいよ!
(そんなことしようものなら「魍魎の匣」5話くらいで終わりそうだが)
まあ事件が解決するまでは特に言及することはないかな、と正直思います。
ただ言いたいのは、榎木津の運転する車のシーン気合入りすぎだろう!ってことw
なんだあの回転は!地味に看板吹っ飛ばしてたところとか面白かった。
あ、あとアバンの最後で陽子が「はぁ?(阿呆かお前は)」
みたいな表情はなんだったのだろうか。
まあいいや、兎に角あと2話、京極堂の大一番を楽しみにしようじゃないか。
次回「脳髄の事」
関係ないけども、この中から外視点はある種の鳥肌が立つのでやめていただきたいw
_4a05d3268f52d.jpg)