
粗筋
日本人観光客であったある男が目を覚ますと、そこは彼の知らぬ場所だった。
そして突然、仮面をつけた何者かに襲撃される。
男は逃げ回るが、ついに追いつめられる。そのとき、彼は、覚醒した。
覚醒した男はナイフで仮面を切り裂く。仮面の下からは女の顔が覗いた。
男の過去は、もうない。「消されてしまった」彼女はそう言った。
彼女はアイン。ドイツ語の1。そして男はツヴァイ。ドイツ語で2。
男の過去はインフェルノという組織によって消された。
男はインフェルノの見てはならぬものを見てしまった。
本当は殺される予定だった。しかしマスターが男の才能を見抜いた。
サイス=マスター。ファントムの指揮下にある暗殺部隊ファントムのトップである。
彼が見抜いた男の才能、それは暗殺の才能である。そして男はツヴァイになった。
自分の名すら忘れ、起きたら暗殺者になっていた。当然受け入れがたい事実である。
アインは言う。「あなたはもう人を殺すことでしか存在を許されないの」
「これは夢だ」人間として当然の拒否反応を示すツヴァイ。
「そう思いたければそう思えばいいわ。でも、長い夢になるわよ」
アインは冷たい。
次の日からツヴァイの訓練が始まった。
走り込み、筋力トレーニング、そして拳銃による狙撃。
ツヴァイはもう何も考えず、目の前のことをただやるように決意した。
訓練が続いたある日、アインは仕事で出かけていく。
ツヴァイがひとり、拳銃の手入れをしていると紫色のスーツを着た女がやってきた。
クロウディア・マッキェネン、インフェルノの幹部である。
彼女はインフェルノについてツヴァイに話す。
ギャング・マフィアを国家と例えるならインフェルノは国連。
つまり裏の世界の秩序を作り出そうというのがインフェルノの目的であり、
それを達成するためにファントムはこの上ない武器となる部隊なのである。
しかし結局、僕たちは奴隷のようなものだ。ツヴァイはそう吐き捨てたように言う。
「決められたコースでも、君が望み、努力する限りどこまでだって加速して行ける。
その気になれば組織のトップにだってなれるわ」クロウディアは言う。
「望み」「努力」ツヴァイにとってとうの昔に忘れ去られたような言葉だった。
夜、仕事を終え帰ってきたアインにツヴァイは問う。「人を殺したのか」と。
アインは当然のように肯定し、ツヴァイは当然のように困惑する。
「あなたもそのうち何も感じなくなるわ。この生き方に耐えられる方法は他にないから」
ただ置かれた煉瓦でなく、人を撃つことが果たして自分にできるだろうか。
ツヴァイは暗い闇の中、拳銃を撃った。
次回へ。
感想
面白い!2話にして世界観嵌りまくりました。
たぶん原作のままの台詞が多いと思うのですが、台詞がいちいち重くて揺さぶられます。
2話はアインもクロウディアも名台詞いっぱいで、かなり耳の感度上げて視聴しました。
勿論、私には「生きるためには殺さなくてはならない」なんて状況になった経験はないので、感情移入とはまた違うんですが、臨場感というか切迫感というか、「もうやるしかないんだ」っていう空気がダイレクトに伝わってきて痺れました。
ツヴァイも現実を受け入れたわけじゃないと思いますが、あーだこーだ騒がずに一種の諦めみたいなものが目や思考によって表現されていてよかったですね。生に対する執着は人一倍、でも現状に抗う気力はないっていう状況に、見ているだけなら何故か安心感が湧くのは私だけじゃないはず。
それとツヴァイが近年多いダメ男主人公ではなく、天才であることが魅力的ですね。初めての射撃にもかかわらず的を打ち抜いていた姿はその片鱗だったはずです。その彼がこれから力をつけてますます天才肌を見せつけてくれる、と思うと考えただけで楽しみが広がります。あくまで希望だけど彼には「ああ、人なんか撃てないよ〜」みたいな葛藤ナシで進んでほしいですが、次回の粗筋読む限りありそうですね。いや、でも一番下のアインの台詞が辛辣すぎて萎えるどころか、もう既に期待感が上回ってますが。
アインは・・・いいですね・・・殊更可愛いですね!1話見た限り感情欠如の超絶無口キャラ、所謂綾波系のキャラかと思っていたのですが、意外や意外、しゃべりますね。しかもそれが人生を諦めたようなネガティブなセリフが多いので余計に萌える。小さいのに身体からパワーを感じるのもいい!軍服系のピチピチタンクトップとかたまらんですわ。あんな指導官なら指導されていですね・・・。
それと感情も思いのほかあるような印象を受けました。重々しい言葉をツヴァイに投げかけてますが、おそらく経験上の助言的な意味合いが強そう。そういった意味ではクロウディアとは違った方向からツヴァイに生きる道を示しているよう感じですね。もしアインが経験談としてあれらの台詞を口にしているとしたら、かなり悲痛な過去がありそうですね。そもそも彼女はアイン、“1”であるわけですが、誰に指導されたんでしょうか。(追記:公式マスターの項目より::アインを完璧な『ファントム』へと育て上げた育成研究のエキスパート。)おそらく彼女も才能を認められて今に至ると思うのですが、彼女の過去、かなり気になります。
作品としてOPからEDまで陰鬱感に包まれていて非常に好みなので、これからは毎週レビュー書きたいと思います。原作がかなり気になりますが、とりあえずアニメを見終わってから、という感じかな。次回も激しく期待です。「実践」








