粗筋
最愛の妻子を失ったメラニースクエアの首領、トニーはインフェルノに打って出る。
インフェルノの幹部は皆、他組織幹部であり、不義の内通者でもある。
その事実を暴露すれば、手を汚さずインフェルノを陥れることができる、
そう考えたトニーは部下らを情報収集に走らせた。
一方インフェルノの幹部集会では、既にトニー付近の不審な動きが議題となっていた。
ファントムを武器に幹部会常任となったサイスは、強行的な手段を提案。
幹部がその作戦に危惧感を抱くも、首領マグワイヤは首を縦に振る。
かくして始まった今回の作戦は、総計12人を殺害するという大規模のものだった。
作戦の成功には、ファントムを中心に組織の綿密な連携が必要である。
内容概略を伝えるアインはいつもどおり冷静で冷徹な物言いだった。
「この手で人を殺し、この手でモノを食べる。どっちも同じ」
ツヴァイは、殺すことに抵抗が、もうない。
だが、任務の意義を考えるようになっていた。
しかし、アインはその思考に全く意味を感じない。
「道具であること、装置であること、ただ機能さえすればいい」
「考えることが僕らの害になるのか?」
「壊れるわよ」
今回のミッションの成功は米西海岸の勢力図を大きく塗り替えることになる。
インフェルノとしても賭けの要素があったが、無論失敗は許されない。
しかしファントムにおいてその心配は無用であった。
作戦は成功し、西海岸の覇権はインフェルノの手中に。
次回へ。
感想
流石原作者オリジナルシナリオ。台詞が濃厚すぎる。
クオリティの高さに終始にやにやしながら見てました。
トニーの件は前回で終わったものとばかり思っていたので、ストーリーが続いていたのは予想外でしたが、なにぶん雰囲気の統一性が見事すぎたので問題なく見入りました。これだけオリジナルに恵まれるアニメはなかなか珍しい。
インフェルノは今回のトニーの行動をどこまで予想していたのでしょうか。トニーが妻子の死をきっかけに奮起する、くらいは勿論考えていたはずですが、密偵を使うという搦め手は予想外だったようです。それにしてもサイスの提言があそこまで通るってことは、組織としての中核が案外脆そうな印象を受けました。幹部が寄せ集め?ってことで横の繋がりはそれほど強くないのかもしれません。イマイチまだ出てこないマグワイヤや他幹部の凄味というものが今後発揮されるのでしょうか。このままサイスの思うがままになってしまうのでは、なんてことも考えられる。彼は相当出世上手のようですし。
サイスは今回のアイン撮影会やミッションを“曲芸”と呼ぶあたり、もう根っからの変態のようですが、そんな彼が理想とする組織、世界はかなーりぶっとんでそうですね。そもそも組織を拡大することに意味を見出しているのでしょうか。序盤はファントムの成果を見せつけたい、という欲望が前面に出ていましたが、これは自分の作り上げたファントムを評価してもらいたい、という自然な欲だと思います。でもこの欲がマフィアとしての覇権拡大という欲に直結するとは、まだ考えられないかなって感じです、ことサイスに関しては。
それと印象的だったのが作戦前のツヴァイとアインの会話。
「任務の意義くらい考えて当然だろう!」
「誰かにそう言われたの?」
アインは実にツヴァイをお見通しですなあ。
アインが過去に、ツヴァイみたいにクロウから支持を仰いだことがあったのか判りませんが、もしかしたらアインもツヴァイと同じ心境の路線を辿ってきたのかもしれません、とは前回までの記事に何度か書いたような気がしますが、今回の話をみてもやっぱりアインの発言は“先輩として”っていう印象が強く感じられます。
暗殺者という共通点はある二人ですが、その作戦にかける気持ちというのはかなりの差異があるようですね、というかだんだんその差が明確になってきました。超絶ブラック企業勤務の平社員みたいになってるツヴァイ。クロウのおかげで暗殺業にも僅かな希望を見出してます。
どちらも“暗”であることは間違いありませんが、まだツヴァイのほうが生気がある、と言えましょうか。もし過去にアインにもツヴァイと同じように生気(と言えるか怪しいが)があった時期があったとすれば、それはそれで見てみたいですね。アイン人物伝的なサブストーリー希望。今の殺伐とした思考回路のアインになるまでの経路が猛烈に知りたい。そんな話、これから組み込まれてくるんだろうか。
あとアインはサイスの変態趣味にどんな気持で付き合ってるんだろう。これも無感情に「任務だから」といった気持なんでしょうか。見た感じ、撮影後妙にぐったりしてたし、帰ってすぐにシャワーを浴びたのは、実は嫌がっているという描写なんじゃないかと思いましたね。むしろ“嫌がっていてほしい”という私の願望かもしれませんがw微かに見えるアインの人間味ってかなり萌える。花を生けたのはどんな心境だったんだろう、最後見事に枯れていたけれど。
で、今回Bでがっつり時間割いたアクションシーン。
アインのドレス姿・・・・綺麗だ・・・。
背中が、肩が、瞳が、たまらんな・・・。
バイクで射撃するシーンもドレスがよかったが文句は言うまい。
でも、マドラックスなら確実にドレス姿のままだっただろうw
今回のミッションは殺す人数が多いだけに淡々とこなしていくという描写が強かったように感じます。全体的に超人的なのは間違いないですが、すっげえええ!みたいなシーンは
アインがバイクに立って射撃するところくらいでしたね。それにしてもBGMが盛り立てるなあ。
それとトニーは町の住民を自らの家族と言うくらいだったのに・・・救いようがないこのシナリオは原作者故なのでしょうか。刑事とヤクザが徒党を組んでアツイ展開が!っていう小説は数多くあります。トニーが死んだら涙を流してくれるのはガント警部だけかもしれない、なんて思った私が馬鹿だった・・・。
次回は過去。
ついに保志の活躍がくるのか?まーた一週間長いなー。