そもそも獅子堂家と神楽の繋がりは・・・結末を待て!
粗筋
迫る敵。妹子の死から立ち直れない秋葉。
首尾よく回収したレオパルドの剣とフォンの開発したQTローズの力は如何に。
存亡をかけた戦いに、育んだ友情がついに開花。
秋葉が立ち直ったとき、レオパルドはその総ての能力を発揮する。
次回へ。
感想
うわあ。
縦横無尽に広がった風呂敷をきれいに畳むこともせず、皺くちゃのまま押し入れに詰め込むかのようにストーリーは結末に向かっています。だがその無理やり感が私は決して嫌いじゃない。ここまで数話、暗い雰囲気を漂わせ、その雰囲気はしっかりと定着しつつあったと思う。いわば今回のストーリーは陰を陽に反転させる分岐点。その重要性は最終回へ向かう本作にとって評価の位置づけとして非常に大きい。なんやかや「宇宙かけ」が好きないち視聴者として期待していたその23話の展開は、あまりにも簡単に手に入るレオパルドの秘密兵器を筆頭に、判り安すぎるほど安易な戦闘展開にはもはや“宇宙かけらしい”という言葉がぴったりである。しかしそれは主人公秋葉が立ち直るためのあくまでスパイス。メインメニューはやはり如何なる段階を踏んで秋葉が立ち直るか、であった。
まず嬉しかったのが、レオパルドの立ち直り。秋葉と呼応するかのように元気を失くしていたレオパルドですが、秋葉到着により復活。明らかに風音にビビってたり、そのせいで逆さの絵本を読んだり、路面電車を秋葉に密かに(のつもり)手配したりと、なんだか懐かしいいじらしさを発揮してくれました。そして本当の復活を示す「フハハハハハハハハハハハ!」最高のギャグだ、この笑いは。「死んだか! 死んだかあの煮っ転がし!」あたりは慰めかなんなのか判らないけど、その突き抜けた空気読めない態度はやはりレオパルドに相応しい。中の人的にもきっと最近の話のアフレコ時は窮屈な演技を強いられていただろうから、久々に爆発できて楽しかったに違いないw
そしてメイン。秋葉立ち直りました。ここまで友情について目立った表現はしてこなかった本作ですが、ここへきて炸裂。いつき君にしてもほのかにしても、なかなか台詞に重みがあってよかった。ここまで積み重ねた20話と少しが一気に報われた気がしてなんだか涙でそうだった。友情のアツさや説得力って勿論その台詞が重要なのは当たり前なんだけど、やっぱり共有してきた時間だよな〜としみじみ思った。なんやかやずっと一緒にいたものね、彼女たち。真面目さを貫徹してきたいつき君だからこそ、その偽りなき真っ直ぐな言葉は響いたし、無感動で己の目的のためには手段を選ばずという言動が目立ったほのかだからこそ、秋葉を巻き込んでしまったことへの謝意とそれ以上の目的を告げる言葉が響いた。立ち直った秋葉も「私頑張ってみる、みんなと一緒に」といい、やっぱり周りあってこその秋葉だよなあなんて思えたりして、かなり盛り上がってみることができた。この3人であと気になるのはほのかの寿命設定か。
まあダウジングを使えば剣の捜索は機械であるネルヴァルには見つからないとか剣のブースターどうやって点火したのとか設定的に突っ込みどこは満載だし、戦闘も毎度ながら茶番のようなやったやられたの応酬ではあったのものの、新しい武器や装置ってのは往々にしてわくわくさせるもの。今回も例外ではなく個人的にはフォンキター! 高嶺キター! QTローズキター! 石の塊キター! NEWQTアームズキター! ブーミンキター! と盛り上がれたのでよし。絵のほうも好調で、コロニー同士が戦うというダイナミックさは魅力的だった。レオパルドも秋葉とくっついて本来のテンションが戻ったし、さくらも登場し終盤に向け総出演的な盛り上がりには満足でした!
が、まさかのイモちゃん復活w 死んだキャラが生き返って残念がるとは何事かって感じですが、異様にがっかりしてしまった。生き返るにしても最終回にしとけよ、と。「あたしが殺した〜? 変な言いがかりはやめなさいよ!」どこまでも悪役になりきれない悪役たちだなあw この温さはまさに数話前までの宇宙かけそのもの。秋葉が傷心だった期間はなんだったんだ! とは思いますが、上記感想のようにそのあたりの克服劇には満足できたのでまあいいや。ま、今回の復活で判ったのは(というか願うのは)“もう人死なないだろ、このアニメ”ってこと。これ以上の茶番悲劇はごめんだよ! もうネルヴァルとの対決とか温くていいんで、最後はしっかりギャグで〆てくださいw 気がかりなのはネルヴァル陣営が再度口にした「50年前」というワード。なんかそのあたりもネルヴァルの紅茶をレオパルドが勝手に飲んだとかそんな理由でいい気がしてきた。小刻みに挟んできたギャグもテンポよくて心地よかったしギャグエンド推奨。なんにせよ、鬱でもなくそれなりに真剣味を持ったタイトルに相応しい壮大な結末があるのか、ないのかはあと3話で判ることだ。時をゆるりと待つとしよう。
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