粗筋
妹子は生きていた。反物質ミサイルに特攻したかと思われたが、そもそもあんな小さいポットでどうにかできるミサイルではなく、妹子の乗ったポットとミサイルの間にはネルヴァルのカテドラル・ベンディスカが入り妹子は助かった、とクサンチッペは秋葉たちに言った。
それを訊いた秋葉はすぐにでもネルヴァルのもとへ向かい妹子を迎えに行きたかった。しかし今、秋葉がレオパルドの前からいなくなることはコロニー全体にとって死活問題であり、風音は仕方がない措置として彼女を一室に閉じ込めた。
妹子が生きているという情報は秋葉だけでなく、みんなを喜ばせた。しかしいつきは自分の思い違いで秋葉の頬を叩いてしまったことを激しく悔やんでいた。そこでほのかと結託し、半ば無理やり秋葉を連れ出すことに成功。早速妹子のもとへ向かおう、と一致団結はしたものの、風音に見つかってしまう。
そして、ほとんど時を同じくしてレオパルドのなかで大きな変化が起きた。
次回へ。
感想
こういっちゃなんだけど予想外に面白くてびっくりした。ここまでネルヴァルをあまり敵として描いてこなかったのは、ここまでの伏線みたいなものだったのか。ネルヴァルが「人を支配」といったり「コロニーと人間の合理的な関係を極める」といったりしたいことがなんだかよく判りませんが性根はやはり悪い奴じゃない。たぶん彼にとって合理的な関係の頂点が人間にすべてを与える代わりに箱詰めにしてエネルギーを貰うってことだと思われます。でもそれがどうも上手くいかないから彼は今になって人間を理解しようとしたって流れじゃないかなあと。でも今回つつじの言葉を発端に「人間を理解することは出来ない」ということを理解した彼が今後どう動くのかは謎であり見どころですね。箱の中での謎の死、通称“骸”についてもまだ判明していないし、あと2話で回収出来るのかって気がするのは確か。まあプリンセスなんちゃらという50年前に宇宙を恐怖で震撼させたレオアパルドを宥めて和解エンドって気もしますが。つーか元老院の罪でけえw
それと個人的に今回のストーリーでナミに同情したい気持ちが一気に高まりました。イモちゃんに「なんでここにアンタがいんのよ?」って言ったときのうんざり感とかたまらない。もうほんとに獅子堂家が、現実世界が嫌いなんだね。「あたしは他人と接してうまくいくことなんてなんてなかった、ネルヴァルとかアレイダみたいなモンスターの側にいたほうがよっぽどマシ」こういうことをスラっと言ってしまうナミがかなり可哀相。確かにナミは精神的に弱い子だと思うし、八当たり的な感情の結果で今こんな場所にいるわけですが、原因の一端に他の姉妹が影響していることは確かでしょう。ほとんど自虐に近いこの曲がりくねった精神は所謂厨二病とも取れますが、それにしたって救いがない。ネルヴァルも言うようにナミはまだ幼い。過去のトラブルで高嶺や秋葉がナミの精神的な傷を癒してあげることが何故出来なかったのか判らない。なにをいっても駄目だったとしてもここまで世間からひねくれる前になんとかしてあげるのは家族としての役割なんじゃないのかって思います。
その家族の長である風音は姉妹でさえそうであるように、人間を機能として見ているという描写がここ最近かなり強いですね。これをカリスマ性とみるか暴虐とみるかは微妙なところですが、彼女の行動こそつつじのいうような専制君主に近いものがあるのは確か。秋葉を大した説得もせず閉じ込めちゃう姉ってどうよ。存亡かけてるときに姉も妹もないっていうんならそれまでだけど。まあその機能のひとつレオパルドが反逆して風音の思い通りにはいきそうにない展開ですが、彼女は世界を救い、家族を救うことができるのか、これも展開的に楽しみ。その気が風音にあるか判りませんが。それと前回出てきた風音自身の機能“総てを見通す目”がいきなり機能発揮w チッペからイモ生存の真実を訊いて「やっぱりね」と言った彼女にはあいた口がふさがらなかったぞ、正直。なんかぽっと出の設定の裏付けを無理やり場面に出した風にも聴こえたし、このひと声でイモちゃんが生きててよかったとかそういうのもう一切に吹っ飛んだ。まあ実際は死んだと思われたイモちゃんのほうもおバカな感じで微笑ましかったから、別にいいっちゃいいんだけど。
「私はダメダメイモなんです・・・」
これ別に自分が芋っぽいことを認めてるとかそういった他意はないんだろうけど笑えたなあ。興味深かったのがイモとネルヴァルの人間に対する理解度のスペックの違い。ネルヴァルは人間体のときただの面白い人なんだよなあ。案外何かソフトをインスコすればネルヴァルも人間を理解できるんじゃね? っていうくらい彼の人間理解能力は欠如してる。他のブレインが言わないだけでチッペやベンケイ、パルドも同じくらい人間のこと理解できないんだろうか。ベンケイはパートナーがあれだから兎も角、チッペとパルドはそんなに支障のない会話してる気がするんだが。最古参だから機能が足りないという見方もあるが。
で、私の大好きなつつじはまたまた生死の危機に。まあ前回太陽での一件は危機でなく、ベンケイを改造していたようですがw エンジニアとしても食っていけるな、彼女は。本作の中で一番好き勝手やっている印象のつつじですが、ナミと意見がリンクするあたりやはりどこか寂しさを持ち合わせたキャラなんだろうなあ。つつじがネルヴァリストだったという設定が既出かどうか忘れるくらい影薄かったものなあ。「ベンケイを神にしてあげる」という彼女の意志が達成される日がくるのか、いやこないだろう。こんな終盤になって新勢力と謳いだしたつつじの立ち位置がかなり不安。まさか、本当に今回の件で死ぬ・・・? 生き残ったとしても彼女の帝国にどうケリをつけて終わらすんだ。今回で死んだら全然本望じゃないだろうから勘弁してほしい。つつじはあんなところで死ぬ子じゃない! ちなみに炎に包まれ倒れたシーンの演技最高でした! 倒れた格好もまたエロくてね・・・うんなんか死ぬ気がしないw
今回もっとも残念だったのは秋葉・いつきクン・ほのかの友情シーン。あれはサムイ。友情はもう前回で確かめ合ったじゃん。別にわざわざ口に出して言わなくったっていいのに。あの照れたほのかの需要はきっとあるだろうから無駄ではなかったのかもしれないけど、個人的には萎えた。風音に友情ごっこと言われても仕方ない気がした。いつきクン&ほのかで秋葉の閉じ込められた部屋に潜入ミッションのとこは序盤の阿呆らしさが蘇ってすごく良かった。ブーミンが絡むと安定して面白い。ほのかのグッジョブも良かった。
さてさてホントにあと2話で終わるんだろうか。何が謎ってこれが一番謎だよ。謎を投げっぱなしで終了が濃厚で怖いな。月曜深夜あいてるんだから3クール目やっても構いませんよ? でもOVA完結とかはやめてね。とりあえず次回、カテドラル・ベンディスカに期待。
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