粗筋
中堅戦後半、久は他家の警戒心も高まったことで前半のような勢いは発揮できない。しかしじわりじわりと点を伸ばしトップを堅持する。一方、龍門渕の国広一は最下位からの巻き返しで2位につける。風越女子は大差でトップを走っていたものの最下位に。福路のアドバイスも点を伸ばすことへは繋がらなかった。中堅戦が終わった時点での点数は清澄108500 龍門渕106300 鶴賀学園93400風越女子91800である。まだまだ僅差でどの高校も全国への切符を手放したわけではない。そして戦いは、副将戦に引き継がれた。
次回へ。
感想
対局の行方より気になる百合の花。
キャラの相関関係や心情描写なんかはホントに面白い。ここってところの作画が主張してくるのは相変わらず好感。作り手の見せたいと思っているシーンがことごとく私のお気に入りシーンになるので、そのあたりのマッチングがかなり心地よくて見てて楽しい。今回はその制作側が力を入れたと思われるシーンのほとんどが百合的シーンだった。
アバンの聖母、麗しいです!
まさかのオッドアイコンプレックス回想。夏のあらし!で演じる加奈子のキャラもあり、堀江さんの“自分に傷を抱えているキャラ”の演技がかなり響く。久もいうように誰がみたって綺麗な彼女の目。何故コンプなんて抱いてしまったんだ、と妄想するとちょっと寂しい気分になれて一層聖母愛が強まるw ちなみにOA終了後、試しに私も5分ほど片目を閉じてみたが到底生活できそうにない。起きている時に敢えて目を閉じるというのはほとんど拷問に近いことが判明し、聖母の抱えるコンプがますますいたたまれなくなった。
で、久と再開を果たしたあかつきにはもう一度右目を綺麗だといって欲しいと願う気持ち。「いってくれるだろうか」と問いかけ風なところが切ない。そして今回、再開を果たしながらもチームの為に対久用のアドバイスを文堂にしたわけだ。見方次第ではこれは立派な自己犠牲であり、言うまでもなく彼女の判断は正しい。なんというか私の中で聖母は聖母であって彼女の言動には公共的なイメージが強い。チームの垣根を越えて降り注がれる優しさだとか、風越女子部長として全国に行きたいとか、彼女の言動には必ず他人の為というのが前提となっていると思う。そんな彼女が久に対して祈るように抱いた“目を綺麗だといってほしい”という欲望は極めて個人的であって、それは彼女が本当に強く望んだのだろうなあという気分にさせてくれた。キャラ設定として機械音痴を除けば非の打ちどころがない聖母。これまでは聖母様最高だ! と甘えたい気持ち一心で彼女の出番を期待していた私だったが、今回のエピで聖母でさえも苦悩があるということを知り、彼女の目を綺麗だよと言ってあげた後、優しく抱きしめてあげたいというなんとも身分を弁えない気分になった。当然そんな私の望みが達成される日は来ることはないだろう(DVD特典で聖母抱き枕なんてものが出ない限り)。だから彼女の傷を癒すことは久に期待したい・・・のだが、どうやら久は聖母のことを憶えていない様子。もし今後、福路美穂子×竹井久のエピが描かれるようなことがあったら、是非とも久には聖母の気持ちに応えてあげて欲しいと思う。
まさかアバンの感想だけでこんなにも長文になろうとは予想もしていなかったわけで、なんとなくエネレギー切れな私だが、百合も含め見どころはまだあったので頑張って書きたいw
「勿論信じていましたワ!!!一はやれば出来ル子ですワ!!!」
静かながらも存在感を出す聖母のシーンに思いきり感情移入させられていた私にとって、カウンターともいえる透華のキンキンした声。比較的存在感薄めのそのキャラデザとは対照的に主張しまくるこの声、素晴らしいw 彼女にとっては不本意だろうが、前回までに阿呆の子であることもしっかり主張してしまった彼女。簡単に手のひらを反してしまうような台詞すらも、ぴょんぴょん動く彼女のアンテナの前では愛おしいほど阿呆らしいw 兎に角エネルギーを放出していないと気が済まないようであくせく動くアンテナと耳を貫くキンキン声は策士的キャラが多い本作において稀少且つ貴重。
「素敵!滅!!法!!!」
「ハギヨシ素敵滅法!!」
阿呆がここにもいたw てか何なの衣を取り巻く四文字熟語や諺の嵐はw 根の堅洲国とか莫逆の友とか無理やりすぎだろw しっかし衣も可愛い。「と、ともだち・・・!」とか言い淀んだり、そもそも友達作りに積極的なことさえ登場シーンからは考えられないわけだけど、その小さな生き物的な可愛さは異常。屋敷での回想を見る限り、衣にとっての友達という概念が世間一般のそれと大きく異なっている可能性もあるけれど、いまのところこの動きのかわいさの前ではなにをしてももはや正義。なんにせよこの生き物の生態が明らかになるのはあと2週か3週後の雀卓になるんだろうか。ロリ萌え路線を外してくるのか、その外れっぷりは如何なるものか、福原さんの演技とともに期待。
そして京太郎久々の活躍。まあこいつが活躍するのはタコスの運搬など事務的なことを除けば妄想だけなんだけどw その煌びやかな作画によって演出された妄想の中で繰り広げられた和の「はぁ〜にゃむにゃむ〜」がカワイスギル! 妄想であれこの台詞を小清水さんに吐かせた京太郎とスタッフの功績はデカいw
で、見応えのなさすぎる中堅戦後半。清澄の控室で映された雀卓のCGはちょっとキモいよあれw 平行線で終わることは予想していたものの鶴賀学園の子、見せ場なさすぎる。やったことがベタ降りだけってなにさ。しかも★の子と透華の回想と同時に局終わるとか・・・。結局★の子が2位まで上がってきた実力の理由付けも弱かったし、次鋒戦以上に残念な中堅後半戦だった。
でもまあ展開としての意味は結構あったように思えるかな。回想がたくさん入ったというのが特徴的で、キャラ立ちってことでは久をはじめ各方面かなり役立ったのではないだろうか。対局後、久の「あとはあなたたち一年生にお任せね」って台詞もやり切った感が出ていたし、風越女子も龍門渕もみなお疲れと自校の選手を迎えていたから結果以上にハートフルな感じで爽やかに終わってよかったかなと(そんな中鶴賀学園だけ描写がなかったわけだが)。
★の子×透華のシーンはこれまた力入っていた様子。★の子の直球さと透華の悶えっぷりがたまらんね。てか透華の落ち着きない様子すべてが動きに出ていたようでほんとにかわいらしかった。ただ透華付き(好き)のメイドがもう一人いることをお忘れなくw この3人のラブコメでオリジナル展開2話くらい使えそうだw
そして和×咲。「あんな約束をしたのに試合は見てもらえないなんて・・・」とやや膨れ気味の和の不満がモロすぎるw 気を使ったのかもしれないが、放置したのは君だw なんにせよサブタイ通り目醒めた咲。和の抱くメランコリを知ってか知らずか、兎に角愛する和のために出た咲の超運動能力。ストライカーユニットを装備しているかのような空中での見事な身のこなしと穿いてないっぷりにメロメロ(私が)。台詞はかなり少なかったがOPのようにぬるぬると躍動し駆け抜けた咲が見られたからよしとしよう。
さあてようやく主人公たちが帰ってきたって感じ。大会中どこかで中弛みするかなーと思ったけど、個人的にはほとんどテンションを保ち楽しく見られたから、俄然高まる今後への期待。和に対する透華が楽しみなのは勿論、顔見せNGだった東横線や沈黙を守ってきた深堀も楽しみだ。なんにせよ本作は麻雀はあくまでスパイスであればいいと思う。それをからめてキャラを巧く描いてくれればいいさ!
ということで次回「微熱」
- アーティスト: 宮永咲(植田佳奈),原村和(小清水亜美),片岡優希(釘宮理恵),染谷まこ(白石涼子),竹井久(伊藤静),畑亜貴,虹音,安藤高弘
- 出版社/メーカー: ランティス
- 発売日: 2009/05/27
- メディア: CD