粗筋
かつてレオパルドは宇宙を恐怖で震撼させた悪神であった。そしていま、50年の時を経て、秘剣を装着したレオパルドはその妖刀に操られ彼の真の姿である「プリンス・オブ・ダークネス」への変貌を遂げる。絶対神としての野望を蘇らせたレオパルドは、ジャンプアウトの座標をカークウッドに設定、殲滅の準備にかかる。
レオパルドのその悪逆無道な動きを察知したネルヴァルは、カテドラル・ベンディスカでレオパルの前に現れる。しかし実の息子であるレオパルドを止めることは出来なかった。「強き神はより強き神を倒す」父ネルヴァルの叩き込んだ帝王学はこの期に及んでしっかりと発揮されたのだった。
一方秋葉はネルヴァルの登場をその目に確と見た。「イモちゃんがあそこに・・・」秋葉はQTアームズですぐさまカテドラル・ベンディスカに向かった。ほのかからコロニーの図面を受け取り、秋葉はネルヴァルのブレインルームまでやってきた。そこには壊れかけたネルヴァルと再会を心から待ち望んだ妹子がいた。しかしそんな再会のシーンもレオパルドの追撃によって水を差され、彼女らはまた離れ離れに。
秋葉はブレインルームから緊急脱出した。そして彼女がいきついた先には、獅子堂家滅亡を目論む妹ナミが、Qテクターとプリマヴェーラを装着し立っていた。ナミは計画の手始めに一番弱っちい秋葉を殺そうと思った。偶然か必然か、すぐそこにいるし丁度いい。「あんたも戦うために来たんでしょ」ナミは言った。「あたしはイモちゃんを迎えに来ただけっ! そんなの知らないよ!」秋葉は答えた。この言葉にナミはカチンときた。怒りの反動か、笑みをこぼしてしまうほどに。
「あんた本当にヘタレだよ! 苛々すんだよ!」殺傷能力が如何ほどかは判らないが、スイカほどの大きさの赤黒く光る弾をナミは秋葉に向けて放った。先制攻撃は成功し、秋葉に直撃。吹っ飛ばされながらも秋葉はめげない。「邪魔しないで! はやくイモちゃんを見つけて脱出したいの!」戦う気を見せない秋葉に、ナミの攻撃は容赦なく続く。「あんたなんかに構ってる場合じゃないの!」秋葉の怒声にナミは怒り心頭に発した。「それが家族に言うこと!?」ナミの攻撃によって崖にぶら下がる秋葉の手を踏みつけ、ナミは続けてこう言った。「宇宙全体が戦ってるって時になんなのよ、あんたは。イモちゃん、イモちゃんって自分勝手なことばっかいって。あんたのどこが『宇宙をかける少女』なのよ、宇宙をかけているわけでもない。なんにもない、なにもできないくせに。なんでアタシよりこんな奴のほうがちやほやされるわけぇ?」
そのとき、その壮絶な姉妹喧嘩の戦場にアレイダが参入。喫茶えにぐまを大破させ、暴れまわっているナミに何事かと訊ねるが、ナミにとってネルヴァルなどもうどうでもよく、口より先に身体が動いた。「ホイル焼きになれ! ブリキ女!」ナミはアレイダをプリマヴェーラで吹き飛ばす。そして今度はアレイダを追って駆け付けたほのかといつきのQTアームズに先制攻撃。ナミはその素晴らしい戦闘能力でいとも簡単に次々と撃沈させる。「ウザいんだよ、こいつらも何もかも! 止めてみな、秋葉!」ナミはプリマヴェーラを幅、長さともに20〜30倍くらいに拡大させ、ほのかといつきに最終攻撃を仕掛けようとした。しかしそのとき秋葉はついに行動に出た。彼女はレオパルドより授かりし黄金銃をナミに向け、発射した。秋葉の打ったカラフルなビームはナミの身体を貫いた。そのダメージを受けた反動か、辺り一帯にナミのアンチQTが炸裂する。「ナミ・・・ナミ、大丈夫!?」秋葉はナミに駆け付けた。「大丈夫・・・だってぇ・・・?」ナミは生きていた。しかし額からは真紅の血を流している。「自分の妹を本当に撃つなんて・・・いったいどこまであたしを見捨ててんの」秋葉は「ごめん」と神妙な面持ちでいうが、ナミの怒りはまったく収まる気配はなく、むしろ自分で煽った結果として攻撃されたのにそのことがかなり気に食わないらしい。ナミの怒りを鎮めるには秋葉を殺さなくてはならないのだろうか、ついにナミはプリマヴェーラの尖った部分で秋葉を刺し殺そうとした。が、そのとき、ナミの配下であったはずのイグジステンズが秋葉を守った。
この期に及んで唯一の配下の裏切りにナミは混乱した。「なにやってんの、護る相手が違うでしょう!」しかしその言葉はもうイグジステンズには届かない。「無駄よ、ナミ。イグジステンズはもともとあの子(秋葉)のモノ、『宇宙をかける少女』の、ね」ナミのアンチQTをもろに浴び、洗脳が解けたアレイダこと神楽はそういった。「フザケンナァァァァァァァァ!」完全なる四面楚歌となったナミはプリマヴェーラに跨り、宇宙へ飛んでいった。
「秋葉ちゃんね〜、オスッ!」神楽のその言葉に秋葉は呆然とした。「ビックリするよね〜イキナリだから」尚も意味不明のコンタクトに秋葉が戸惑っていると、ほのかが駆け寄ってきた。ほのかは目に涙を浮かべ、神楽に抱きつく。不幸中の幸いと言うべきか、秋葉のなりゆきで放った黄金銃は、ナミとの関係を完璧に砕いたものの、神楽の洗脳を解き、ほのかとの再会を促す結果となったのだった。
「いい加減に理解しなさいっ!!! 事態を収拾するには、貴女が作戦の中核にならないといけないのよ!」レオパルドのもとからの一時避難場所で風音と合流した秋葉に怒声が飛んだ。だが秋葉は『宇宙をかける少女』なんて大役を勝手に押し付けて、もううんざりだった。しかし神楽が語るところによればブレインコロニーの戦いに終止符を打つにはイグジステンズの女王たる『宇宙をかける少女』は最後の希望かつ切り札なのである。そんな神楽の後押しもあって、担ぎ出されるように秋葉は「やってみる!」と一度は決意したものの、打倒する相手がもはやネルヴァルでなく、レオパルドであることを知るとたちまち「やっぱ私には出来ない・・・」と塞ぎこんだ。しかしイモちゃんはいつも秋葉を守ってくれたのに、秋葉はイモちゃんに頼ってばかりでなんやかや秋葉にしか出来ないこととやらをやることに決意してみた。
過去の言動からして些か怪しいものの、なんだかんだ秋葉の決意が固まったようで対レオパルド陣営が盛り上がる最中、ナミがホログラムでコンタクトを取ってきた。「聞け、愚民共。これより暗黒の支配者プリンス・オブ・ダークネス様が粛清を行う!・・・バーン(はぁと)」
「獅子堂島が・・・燃えている・・・」
次回、最終回。
感想
あの名場面は台詞ノーカットで書きたかった。見事すぎる珍姉妹喧嘩だった。その後の秋葉の決心もスタッフが笑いと取りに来ているとしか思えない。ここまで引っ張ってきた「宇宙をかける少女とは」という謎も神楽の口からあっさり10秒で説明終了とか。すごいよ、すごすぎる宇宙かけ。
つつじの目標も新勢力云々から打倒レオパルドにすげ替えた感じだし、むちゃくちゃな最終回に向け色々とぬかりないね。ナミもナミだし、秋葉も秋葉。風音も風音だし、神楽も神楽だ。ヒーローが不在すぎるし、主要キャラだったはずのいつき、ほのかは秋葉のサポートになっちゃってる。期待したカテドラル・ベンディスカも見かけ倒しとはあのことだっていうくらいの負けっぷり。ただ作画はすごい。勿体ない。
もう何もかもが遅すぎるけど、やっぱり主人公を秋葉にしたのは間違いだったんじゃ。まあ他に適任がいない気もするけど、なんにせよ葛藤とかナミとの対峙とか遅すぎた。
ルルーシュすぎるwww
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