2009年06月26日

【アニメ】リストランテ・パラディーゾ 最終総括記事【感想】

いいアニメだった。
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NOISE枠2作品目。前作のミチハチとは大きく色を変えてきましたね。
いや〜それにしても私的にはかなり意外な良作アニメでした。もう本当に洗練された紳士ばかりで、悪役が一人もいない。それでいてキャラクタそれぞれに寂しさというか翳りみたいなものを持たせて、巧く雰囲気を作り出してた印象。最初はニコレッタ嫌いだったなあ。年配キャラがほとんどの本作で彼女は格段に若くて、そのパワフルさと気楽さが優雅で気品のある店の雰囲気を壊しそうで拒否反応でたのかな。クラウディオを押し倒したときは「いきなりなんなのこの娘!」とイタリア人の文化を疑いかけた。1・2話はNOISE枠お得意の2話連続放送で、いきなりそんな印象を抱かされちゃって、視聴継続は微妙な気分。まさか今後この小娘がクラウディオを口説き落すのを延々見せられるのか!? と恐る恐る見た3話、ニコレッタがカゼッタ・デッロルソで働くというじゃありませんか。「なんなのこの図々しい小娘は。君のような小娘がお気軽に働くような場所じゃないんだよ!」って気分に当然のようになったわけですが、そこらへんの気持ちの抱きようが私と人生の熟練紳士とじゃあ違うよね。最初は刺々しい態度を取った紳士もいたものの、それこそが個性であり優しさで、ただ感情の赴くままに憤慨してる私とは人生観が違うw
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4話あたりからは紳士一人ひとりのキャラがだんだん判ってきて、ニコレッタもなんとなく落ち着いた様子(慣れただけか)。ニコレッタの将来や母親の件はひとまず置いといてって感じで、各紳士たちのエピソードが繰り広げられました。どの話もそれぞれ魅力あるエピソードだったなあと記憶してます。本当にどの紳士も甲乙つけがたい魅力があってそれだけでお腹いっぱいな感じ。あ、ちなみにレストランアニメだったわりに作画で空腹感を煽られるようなことはあんまりなかった。着飾った料理に慣れ親しんでいない貧相な食生活なんで、あんまりそそられなかったのは深夜中の幸い。で、そんな紳士ならではの粋な気遣い、さりげない気遣いがストーリーのなかに巧く組み込まれていて(中にはヴィートのように正面切って愛を語る男もいたわけだが)、その気遣いにニコレタも私も助けられていたような気分。ニコレッタの行動がだんだんと“自分の為だけ”から他人を思いやることが出来るようになっていたと思う。行動力は変わらないものの、その行動のベクトルが少し向きが変わるだけでかなり好感を持てるキャラになりました。ルチアーノの孫の誕生日にしても新メニュを考えるにしても、クラウディオにパスタかけたのもその頑張りはかつてクラウディオを押し倒したときに感じた嫌な頑張りとはまったく違うわけで、クラウディオに抱く気持も自分のことだけじゃなくて相手のことを思いやれるようになるまでに成長していた。それもこれもカゼッタ・デッロルソの紳士のおかげ、本当に紳士さまさまなアニメだった。
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で、ニコレッタもなかなか見どころのある女性であることが判り、紳士たちは皆最高に色っぽく魅力的。毎回毎回一つずついろんな話が完結して、さまざまな愛のかたちみたいなものを巧く描いてくれた本作でしたが、最終回を前に解決されない問題がまだ二つ。ニコレッタとオルガのどうのこうのとニコレッタの抱くクラウディオへの恋心が残されたまま。どう締めくくるのかなと思っていたら想像以上に綺麗に〆てくれました。もうほんとにお腹いっぱい。母親に捨てられたも同然のニコレッタが、1話登場のときからそんな傷をほとんど見せていないことがかなり不思議だったんですが、それは彼女自身長い間祖母にしっかりと育ててもらった故に、オルガに対する「この人が母親だ」という意識がすっかり抜け落ちていたからだったのかもしれません。それはある意味残酷な深層意識でもあり、勿論オルガがほとんど悪いわけで、道徳的に考えてニコレッタが怒りや恨みを抱くのは当然。でもニコレッタも言うように最終回あの場面で娘です宣言をして欲しかったというわけではないと思う。ローマに来てニコレッタはオルガを母親というより一人の魅力的な女性という風にみられるくらい価値観が大人びていたと思う。実際に実の娘だということを暴いてやるという意気込みでローマ入りしたニコレッタは誕生日を心から祝う気持でケーキを作ったんだと思うし、オルガはだいぶ心配してたみたいだけどニコレッタがもうばらしてやろうなんて気持ちを持っていないことは視聴者からしてみれば明らかだった。だからずっと前から(ジョーク的に口に出すものの)別にこれといって母親らしいことをして欲しいとは思っていなかったんじゃないかと。でもそんな思いを抱きながらもやっぱり母親に娘であるということを、言い方は変だけど認めてもらって、嬉しさや密かに抱えていたこれまでの母親不在のさびしさが厨房での涙になって出て来たんじゃないかなと思う。それくらいクラウディオの「良かったですね」は反則的に優しい言葉だった。ほんとにいい演出だった。声の出演のみだったけどニコレッタをここまで育てたことを思うと祖母も最高にいい人だ! 
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本当に見続けてよかったアニメ。11話という短い時間でかなりの完成度と程よい濃度で味のある大満足の出来でした。本作には敢えて2期希望しない。あまりに綺麗な終わり方だったので。ニコレッタとクラウディオのこれからを見るのはなんだか野暮な気がするしね。
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written by 亨太朗00:41 | Comment(0) | TrackBack(3) | 09春アニメ総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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