OVAの主人公たち
粗筋
宇宙の未来が一人の少女に託された。
秋葉の下した決断と行動によってもたらされるものは。
抱腹絶倒の最終回がここに!
終。
感想
今期最高に笑った。あの台詞だけでもうなんでもよくなった、最高だ!
「すごいわ、つみれさん!」
まさかあの場面であのキャラがこんな台詞を言おうとは。まったく予期せぬ台詞だっただけに不意を衝かれ完全に急所入った。隣人を気遣い声を押し殺した所為で本当に悶絶するかと思ったわ。
Aパート序盤の「最終回だよ!全員集合!」な雰囲気の時点でシリアスなんてどこ吹く風。最後はしっかり宇宙かけらしく〆てくれました。これまで広げに広げた展開に比べ、なかなかにあっけない終わり方で本当に最終回なのか疑わしい気もしますが、なんだかんだこのカオスが「宇宙かけ」なんだなあと思います。結局秋葉は本当に自立したとは到底言えない感じで最後は漂流していましたが、あの漂流こそ秋葉であり、「宇宙かけ」なんだ! と勝手解釈しました。
秋葉はやっぱりイモちゃんがいないとダメですね。レオパルドのもとへ向かう途中、集中集中といいながら忍忍してたとこは本当に秋葉らしい阿呆な姿でかなり和みました。あとレオパルドにいれた会心の蹴りが破のアスカの登場と被りすぎてて笑った。「乗り越えさせて!」という決意の台詞もまったく勝手なもんだと思いますが、26話中いちばん格好良かったんじゃないかと。
それとフォンが帰ったら病院に連れていくからなっ! とほのかたちイグジステンズを捲し立ててたのも面白かった。病院に行けば寿命治るのかよw まあ救われたようで何よりです。最終回をみて、私自身も救われたような気分だ。最後は笑って(笑わせて)終わってほしい、この願いさえ叶えばなんでもいい気がしてたので、その点は大満足です。
ただナミだけは救われなかった。何故ナミが本作であんなにも酷い扱いを受けているのか謎です。彼女こそ救われるべきキャラだった。宇宙全体が未来をかけてギャグかましてるってときにナミだけ額から血を流しているなんてあんまりでしょう。南里さんの演技がいいだけに余計に悲しい。ナミ救済のOVAなんかにも期待したい。
というか神楽の無責任さはどういった意図の演出なのでしょうか。まさかスタッフはあの態度がかっこいいと思っていたわけないですよね。本作で唯一死ぬべきキャラクタを挙げるとしたら間違いなく神楽です。自分が長生きした所為か知りませんが人の死を軽視しすぎ。老害以外の何者でもない存在ですよ。「充分生きたわ」という言葉の通り、神楽は生命に終止符を打つべきです。
で、結末を迎えるにあたって最も嬉しかったのはやはりつつじの活躍。天空寺に憧れを抱くという初期設定を微かに反映しつつ、結局は自分の道を突き進んだつつじはまさに主人公的活躍。本当にすばらしすぎる脇役でした。風音なんかに名前憶えられてなくてもいいんです、視聴者からしてみれば一番存在感ありましたから。最後にナミに救いの手を差し伸べたのもつつじだけだったし、ありきたりな台詞だけど彼女独特の口調で励ましともとれる言葉は印象的でした。「私たちには私たちのストーリーがある」OVAを期待させる台詞ですね。ただつつじは脇役だからこそ光ったという感も否めない。全26話のうち、まあ尺の問題か判りませんがいわゆる持ち回を作らず毎回ちょこちょこ出すというつつじの位置づけは評価したいです。主人公としてのつつじも見てみたい気は勿論ありますが。
秋葉があの後どうなったかはあまり気になりません。きっと彼女持前のお気楽さとなんやかや英雄気取りの獅子堂財団をバックに、また無気力な毎日に戻るだろうと思います。周りにはイモちゃんやいつきクンやほのかやレオパルドがいて、楽しくも時にはに喧嘩したりなんかしてそれなりの毎日を送ればいい。秋葉にはそういうライフスタイルがいちばん似合っている。これは皮肉でもなんでもなくて全26話を通じて私が秋葉に対して感じたすべての結果です。レオパルドも元に戻ったのだしコロニーと人間の共存は誰かほかの人に任せればいい。適材適所、秋葉はこの戦いを通して自分に出来る限界みたいなものを学んだのかもしれません。
ああ、いよいよ終わってしまったのか。寂しいですね。いろいろメチャクチャだったけどそのメチャクチャさはなんだかんだ嫌いじゃなかったなあ。作画は良かったし、ストーリーももっともっと掘り下げられたのは間違いないでしょう。「舞-HiME -」のようなシーズ化は・・・さてどうでしょう。半年間のうち何度か苦言を呈しましたが、それは宇宙かけ楽しんでみていたが故かもしれません。スタッフさん、声優さん本当にお疲れ様でした。つつじのOVA期待していいですか? 次のSF(サンフィク)も期待して待ってます。
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