ここ4年ほどジャガーと銀魂とこち亀くらいしか読んでいないため、ジャンプを開いてはいたものの「初恋限定。」の原作は知らなかったw 読んでおけばよかったと心底後悔。
さて、「アキカン!」の後番という名誉な枠を引き継いだ本作。河下先生原作ってことでエロめな感じだろうなあと予想していた。事実、パンチラが多くその都度BS11には感謝していたのだが、男のそんな下賤な欲望に答えつつも女の子たちひとり一人の初恋をオムニバス形式でとても丁寧に描いていた。特に千倉エピからガラリと色を変え、終盤に向かう展開はとても綺麗だった。作画もシナリオもとても丁寧に作った印象を受ける。オムニバス形式が幸いしたのかもしれない。確かにどの女の子も思い入れを抱くには充分に魅力的なキャラクタだった。
OA前に公式を見た限り女の子たちがメインとなることは判っていたのだが、予想以上に男子視点からも描かれており、特に終盤に河童のコンプ・葛藤を持ってきたのは良かったと思う。正直クリスマス回あたりで慧と結ばれたも同然だと思っていたので終盤になって仲を拗れさせたのは何を今更喧嘩してやがんでいと思った。しかしその河童の気持ちをかなり丁寧に描いていたため、ただストーリーの波のために拗れさせたわけじゃないなということは判ったし、二人の恋愛の成就を前提にこの美女と野獣がどう歩み寄るかという面にスポットを当てたのは正解だった。慧も序盤ではただの高飛車女かと思いきや、河童もいうようにクラスへの貢献度は高く体育祭でのエピソードを見れば応援せずにはいられない、という気分にさせてくれたあたりこの二人は特に丁寧に描かれていたなと実感できる。しっかしまあ、御前があの手のキャラを演じたら本当に敵なしだなあw
ちなみに最初はあゆみが可愛くて惹かれたのだが回を追うごとに魅力的なキャラクタが出てきたので贅沢な悩みを抱えることになった。結局1番はあゆみ、2番に千倉ちゃん、3番に江ノ本夕ということで落ち着いたのだが、他キャラの魅力も充分に理解できたし尺さえあればもっと違うエピソードも見てみたかったのが本音である。しかし最終回それぞれの恋がある程度結末を迎えられたこともあって、全12話という短い間ではあったがキャラそれぞれの魅力はほとんど描ききれたといってもいいのではないだろうか。
あゆみは何がいいって目がものすごくいい。1話EDで最初のカットに出て来たときの眼力に惚れた。上手く言えないが、なにか確固たる自信みたいなものを感じる目だった。あと緑目が好きだという私の好みもあるw ストーリーで段々とキャラが小宵と被ってきたのは笑ったw 話が逸れるが豊崎さんの自由な演技は本当にいいね。所謂ゆるキャラの部類でも更にゆるく見える。豊崎さんもこの手のキャラを演じたら敵なしと言えるくらいその自由さは魅力的だった。本作中一番勝ち組のキャラは間違いなく小宵だろう。方々でカップルになったキャラたちもいるが、それでも小宵が一番幸せそうだ。兄の前に岬が現れた時も大魔王と名付けその戦闘態勢にどこか楽しんでいる風さえ感じられた。勿論今は本当に兄のことが好きなんだろうけどそのうち普通に恋愛しそうな気がするなw なんにせよ豊崎さんが演じた自由さは、小宵を本作において一番の異端キャラに育ててくれたと思う。小宵が作り出してくれた空気は、比較的真剣な恋愛描写が多い本作の中で本当に和めた時間だった。
で、あゆみも同じボケ属性が目立ったキャラだったが小宵がまったりボケに比べあゆみはアクティブボケだったように思う。これは本編中のパンチラの多さからも判る。そのパワフルさは本当に愛らしくてちょっと心配したくなる兄気分にさせてくれた。だから兄有二にはかなり感情移入した。ベタな料理下手という設定もあんな奇怪なチョコを作ってしまうことで芸術性すら感じてしまう。私が兄でも喜んで食べただろうw でもたぶん私が同年代であゆみと同じクラスだったら五月蠅い女だな、と思っていたと思う。あのアクティブな感じを苦手とし、なるべく関わらないようにしながらたぶん千倉ちゃんに恋してただろう。その点曽我部にもかなり感情移入したw 岬にも衛にも操にも言うときは言う! そんな向こう見ずで突っ走るさまは本当に魅力的だった。慧と河童に主題を置いたストーリー展開だったが最後はあゆみで〆てくれたスタッフの心意気に感謝したい。ちなみに男キャラの中では有二が性格的にも中の人的にもいちばん好きで、私の中では有原家最高!
ストーリーで一番好きだったのは間違いなく9話、千倉回。あれは反則的に切なく、でも色濃いストーリーだった。曽我部に感情移入していた私からすれば本当に泣きたくなるくらい素晴らしい恋愛を見せつけられたわけだが、もしあの場を見てしまったら曽我部のようにいつか追いついてやるぜ! みたいな気概は微塵も湧かなかっただろう。その点曽我部は頑張ったね。とにかく連城先輩は反則すぎる。あの面構えで立派な志を持ち、でも進路のすべてに自信があるわけでなくその悩みを手紙で伝えるとか・・・。男でもあれは応援したくなるだろう・・・。最終回で千倉ちゃんが曽我部にかけた言葉はもう涙が出そうなくらい優しかったわけだけど、そんな心が澄みきった千倉ちゃんだからこそ巡り合えた人なんでしょう、連城先輩は。こういったらなんだけど連城先輩と釣り合うのって本当に千倉ちゃんしかいないなあ。慧でもあゆみでもましてや小宵とじゃあんな綺麗なストーリーにならなかったと思うw
そういった意味では千倉ちゃんも小宵とは違う感じで雰囲気の乖離を果たしていたわけだけど、最後の曽我部との会話は本当に素敵。てっきり曽我部の告白にごめんと返すかなと思ったけど千倉ちゃんはそんな子じゃなかったね。なんにしても曽我部にはいろんな意味でかっこよくなってもらって千倉ちゃんを大切にして欲しい。
唯一残念だったのは、江ノ本夕! こんなかあいいこの持ち回がないなんて! さとさとさんの声当てが最高なのにもかかわらず台詞も少ないなんてもったいない! でもwiki見る限りスタッフGJです。尺的に足りなかったのは勿論、良彦に惚れたところなんて見たくなかったw 日野さん優男キャラはほんと受け付けないんでね・・・。EDで慧が2パターンのコスプレしてると思い込んでいた時期が懐かしい。いやーほんと可愛い夕。BDの限定少女。で出番はあるのか気になる。
さて、そのBD! まだ悩んでます。とりあえずあとひと月あるしもう少し財布と相談しよう。
とりあえず毎回面白かったことは間違いないし、なによりキュンとする作品でした。そしてなんといってもEDの素晴らしさ。作風に合っているとかそんなレヴェルじゃない。特に本編の終盤では前奏が演出としても大きな役割を担っていましたが、それくらいこの曲の「初恋限定。」への貢献度は大きいと思う。甘酸っぱい曲に乗せられて最終回「あなたはいま、恋をしてますか」と本当に綺麗に〆てくれた本作には大満足。
が、そんな余韻に浸る間もなくやはりきた「アキカン!」の変態CMwwww
空気全く読まない「アキカン!」好きすぎるwww てかBS11の集英社枠が最高!
後番の「よくわかる現代魔法」も応援します! ハードル高いけどw
なにはともあれ「初恋限定。」のスタッフさん声優さん、御疲れ様でした!