粗筋
キャルを守るためとはいえ「キャルには暗殺者としての資質がある」とマグワイヤに言ってしまった手前、ツヴァイはキャルを暗殺者として育てなくてはならなくなった。かといって年端もいかぬ少女に暗殺者になれと告げることには躊躇いがある。そこで彼はキャルに「俺の助手になれ」といった。銃を持つことの意味をジュディの復讐へ向けさせれば、キャルも幾分受け入れやすくなることだろう、そう考えたツヴァイだったが、むしろ逆に、キャルはとても喜んだ。それだけ無邪気だった。
その後、ツヴァイは取引でトラブルがあった梧桐組との調停に立ち会った。問題が解決するまでロスに滞在して欲しい、その間は快適な滞在を保証する、というクロウディアの提案を梧桐組が受け入れたことでいったんは手打ちとなった。その帰り道、クロウディアは一連の問題の犯人はワイズメルであるとツヴァイに言う。彼女によればワイズメルの目的は梧桐組のインフェルノ加入を阻止し、彼女が強力な後ろ盾を得ることを妨害しようとしているのだろう、ということだった。そこでクロウディアは逆に梧桐組を餌に使うことで、ワイズメルの陰謀を暴こうと計画した。
次の日、ツヴァイはリズィにキャル用の銃を手渡される。「今日幹部会議でキャルって子の話題が出た」というリズィの口調は重く、せめて銃の手ほどきくらいはしておいたほうがいいと告げる。そしてツヴァイは、キャルをかつて自身が訓練した場所に連れて行き、キャルに始めて銃を撃たせた。腕前は素晴らしいものだった。「おそらく天才だ」これがファントムであるツヴァイの下した評価である。だからこそいっときもはやく自由にしてやろう、ツヴァイはそう思った。
その夜、ツヴァイはホテルへ向かった。カジノに出掛けた梧桐組の面々にワイズメルからの刺客が近付かないか監視するためである。しかし少し目を離した隙に梧桐組組員の一人が消えた。バーテンが言うには部屋に戻ったようであるとのこと。ツヴァイは追った。しかし彼が部屋に入ったとき、男は頸動脈を切られ死んでいた。エレベーターの音がきこえ部屋を飛び出す。そして、ツヴァイはエレベーターに乗る一人の女の姿を見た。
次回へ。
感想
キャルの作り出す空気が和やかすぎるw
沢城さんが中に入っているだけあってキャルは本当に生き生きしてる。それにつられてか玲二もキャルとのやりとりはかなり人間味があって優しいお兄さん風でいい。こじかのレイジみたいな嗜好に目覚めなければいいがw レイジがキャルの料理を食べて「美味い・・・!」というところや「アジト、異常ありません!」「大声でいっちゃだめだろ」 「デニーロだかなんだかだ。・・・台詞はいい」のやりとりなんかはこれまでの本作雰囲気に比べかなり間抜けでフレッシュですね。
玲二が助手になれ宣言したときのキャルの反応は予想できましたが、BGMがモンスターファームぽくて、ああこれからキャルを育てるんだな、と妙に納得してしまった。それと玲二が「仕事はつまらないんだ、楽しくないんだ」とついてこようとするキャルを説き伏せたとき、お前の仕事に楽しいも糞もあるかと突っ込みたくなった反面、そんな気持ち持ち合わせていたのかという驚きと同時に妙に厭世的な言い方がツボでした。彼のこういった台詞はアインとの頃ならいい意味で厨二臭さがありましたが、いまはそうやって厭世的になることがむしろ生々しすぎて厨二なんて言葉では表せない感じがかっこいい。
んで、新しい服を買いに行くという玲二。大人買いでもするんじゃないかって思いましたが、意外と玲二の財布のひもは硬いw アインのときみたいに偵察だなんだとある種のサービス的要素とはだいぶ違う印象です。服を買うこと自体に意味があるようで、おそらく仕事の晴れ着かなんかのためだとは思いますが、本作はキャラ衣装について結構無頓着な印象があるので意外なイベントでした。玲二に限らず本作ではすべてのキャラが毎日同じ服着てますよね。途中でイメチェンした玲二は兎も角、インフェルノの幹部連中が同じ服を着続けているのはなんだか緊張感に欠けると前々から思っていただけに、これを機に玲二やマグワイヤあたりもシャツの色くらい変えてあげればいいじゃない、って思う。
志賀はウィスキーのCMにでも出ればいい。
そしてクロウはまた謎の策略を開始した様子。一連の犯人がワイズメルであると本気で考えているの・・・か・・・? 謎だ。前回までのワイズメルの言動を見る限り、おそらく犯人はワイズメルではないだろう・・・? というか彼女が「サメ釣り」と称したミッションで、釣れたのが予想外の人物だったわけだが・・・。まあ、十中八九あれはアインだろうし、なんなんだろうこの展開。サイスはサイスで梧桐組に関与しているようだし、いまアインとサイスがタッグを組んでいるのかはまったく不明。もし二人がタッグを組んでいるとしたら、アインは何故梧桐組の人間を殺したのか謎。一方二人がタッグを組んでいないとしたらアインは誰に雇われ行動しているのか謎。なんにせよかなり面白い展開になってきたのは間違いないですね。個人的にはなんとなくクロウからやヴぁい雰囲気を感じます。お色気戦術など彼女自身組織内で地位向上のためかなり頑張っている様子ですが、今のところ何事も上手くいきすぎているのが気にかかる。なんというか危うい。
それとリズィが今回も例によっていい仕事。目立たないけど、ストーリー支えてますよねw 最近ではクロウ&リズィというよりツヴァイ&リズィな感じで、二幕に入ってからは妙にツヴァイの世話を焼いてくれてます。サブタイの「監視」は最初リズィがツヴァイを監視している意味かと思いましたが、むしろリズィはかなり親切でした。てかツヴァイは白昼堂々とスモークもまともにかかっていない車内で拳銃かまえたり何考えてんだw ちょっとお前暗殺者としての自覚持てよw
今回は第二幕盛り上がりへの序章でしょうか、話の展開やキャラクタの思惑がかなり混迷してきてとても面白かった。序中盤は主にキャルとレイジのやり取りで和んだ後、終盤はかなり痺れるミッションモード。兎に角BGMが盛り上がる! レイジのテーマソング的な曲もかっこいいし、アイン暗殺シーンあたりから曲もすげえいい。というかアイン! やっぱアイン最高だよ! 完璧に仕事こなすアインかっこいいわー。一度弱った暗殺者スキルが完全復活していれば最高だ。相変わらずキャラの動きはあまり張詰めたプロフェッショナルな感じがなくて100パーセントの見応えとは言い難いけど、まあ仕方ないだろう。アインちょい見せな演出に関しては総じて素晴らしかった。
さて次回「再会」。
ついにアイン復活!? 高すぎる期待にどう応えてくれるか本当に楽しみだ。
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