
下の記事と同じようなキャラが同じようなものを覗いてるのは偶然。
粗筋
「快適な滞在を保証します」クロウディアは確かにこういったが、また梧桐組員が殺された。当然梧桐組は憤る。そんな血の海一歩手前の状況下でクロウディアは最後の要望を梧桐組に提示した。「3日後に首謀者を差し出します」怒りの導火線に火が付きかけた組長梧桐だったが、なんとかその場はクロウディアの要求を呑んだ。
3日後、梧桐組のインフェルノ加盟への最終会談がホテルである。アイザックが狙うとしたらそのときが最後のチャンスだった。アイザックといえども加盟してからでは手が出せない。クロウディアは彼が首謀者であるとほとんど確信に近い判断をしていた。全面ガラス張りの会議室を狙撃させるはず、こう考えたクロウディアはツヴァイにカウンタースナイプを命令した。
ツヴァイは現場の事前調査にキャルを連れて行った。銃の分解、組立、狙撃ポイントなど暗殺者としてありとあらゆる面でその天授の才を発揮するキャル。現場調査にしてもキャルはツヴァイより先に敵が拠点を構えるであろうポイントを発見する。その溢れる才能を前に、ツヴァイはキャルがミッション当日に同行することを認めた。
そして当日、キャルは実に手際よく働いた、が、しかしツヴァイはスコープの先に現れた狙撃手にアインの姿を重ね合わせるのだった。
感想
アイン復活! の喜びはちょっと置いといて、弾のすれ違いシーンが面白すぎ、おしゃれすぎ。
全開すぎるよ、真下監督。というか本当に面白すぎるぞ、Phantom! 原作の1部・2部という順序立った構成もあってか中弛みな感じが全然ない。アイン大好き星人の私にとってはこれまで登場しなかった4話程度の溜めがいい具合に作用して、色々と興奮しっぱなし。木曜深夜の丑三つ時が熱すぎる。
さて、散らばったピースと新しいピースが集まってなんとも見応えのあるストーリーへと変遷を遂げてきた本作。まず驚きだったのがクロウの考えが本当にあたっていたこと。クロウはそろそろコケるだろうな、なんて思ってたけど彼女の洞察力を見縊っていた模様。これまでクロウは色んな策を講じ世渡りしてきたのは事実、だけど彼女を過去に苦しめたアイザックだってなかなかの権力者であり賢者であろうと思ったのだが・・・。あのツキノワグマみたいなキャラデザはなんというか見かけどおりの咬ませ犬的ポジションだったのか、と熱血漢ぽいキャラが少ない本作では一目置いていたのだけに少々残念。むしろクロウはやはり本当に凄腕なのかもしれんと思えるような展開。梧桐組を前に3日待てと言えたってことは彼女の中で犯人はもう決定したも同然だったのだろう。クロウがいう“アイザックの利益云々”だけで犯人と決め付けたなら、少々先走りな感はあるし、もしかしたら不安な気持ちもあったのかもしれない。でもそんな表情ほとんど見せず・・・ってことでやはりクロウの評価は凄いってことで落ち着くのかな。
で、これまであんまり描写のなかった梧桐組。やくざといったら返事は「ヘイ」であったり、舎弟、アニキ、チャカなど如何にもな台詞が次々と飛び出す様子は正直狙っているようにしか思えなかった。というかやくざの描写って他にないのかよ! とむしろ実直なまでにやくざ描写に励むスタッフに可愛げさえあって印象は悪くない。そしてそれらをネタと決め付ける最終兵器としてBGMに演歌を投入してくるとはもう笑うしかない演出。しかも演歌をバックに刺青がどうのこうのという精神論注入。キャルが狙撃ポイントを論理的に割り出すシーンのあとだっただけに対照的すぎてなんかもうお気楽にさえ見えて微笑ましい組だなあって思った。
そして回を増すごとに玲二に捨てがたい生活を供給するキャル。キャルに微笑みかける玲二の笑顔が素敵過ぎる。あれは演技とかミッションのためとかじゃなくて素の笑顔なんだろうなあと思う。アインとの生活から時は経ているものの、もしいまアインが隣にいてもきっと玲二はあんなにいい笑顔を見せなかったと思う。キャルは本当にいい子だ。料理も出来るし、とても素直。なによりあの無邪気さは心の荒んだ玲二にとって知らず知らずのうちに癒しになっているだろう。暗殺に関してたまにみせる悲愴感も玲二の抱くそれとはまったく別物。表現はおかしいが、玲二の持つ“生きるための手段”というネガティブさより、大切な人の復讐の為に殺したい! というポジティブな気持ちがあり、人を殺すことに対して一生懸命な感じがする(なんだろうこの文章は)。幸か不幸かもしかしたら玲二を凌駕するその暗殺のセンスはキャルにどういう人生を歩ませるのだろうか。沢城さんにここまで無邪気さを効果的に出した演技をされてしまうと、憐憫の情をかけずにはいられず、この生活がずっと続けばいいとさえ思ってしまう。でもだからといってアイン・玲二・キャルのみんなで仲良くなんて茶番が見たいわけでもない・・・。いずれ誰かが出会うであろう残酷な結末が、怖くもあり楽しみでもある。
しかしまあ、なんだかんだいいつつもやっぱりアインの暗殺者としての活躍が描かれると楽しくて仕方がない。やはりギュゼッペのもとにいたかと安堵してしまうのは、アインがかっこよくあるためにはあのポジションが最適と認めているからだろう。ギュゼッペは変態だけど、それ故にアインを一番効果的に見せてくれる最高の変態かもしれない。兎に角、サイスが何故徒党を組んでいると思われた梧桐組をアインに襲わせたのかなど謎は多数だけど、満を持してのアインの復帰戦見事だった。ツヴァイとキャルのコンビプレイの余韻を一発で粉砕、かっこよすぎる。しかも念願の台詞入り。あの落ち着いた感じ、もう元通りの情緒であると考えていいのだろうか。正直玲二に「エレン・・・」と呼ばれてしなしなしちゃうアインはもう沢山なんだ。キャル同様、アインが今後どんな道を辿るのか判らないけど、死ぬならかっこいいまま死んでほしい。ただどんな結末になろうが、ツヴァイが影響を与えることは間違いないだろう。そう思うとアインの気配を感じ執拗に「俺が殺してしまったのに」と後悔の念を抱いたツヴァイが気がかりだ。今後アインとツヴァイの接触は暗殺者的なビジネスライクな感じでお願いしたい・・・が、それではアインは永遠に“人間的な幸せ”は手に入れられないわけで・・・ああ、なんにせよ次週を待つしかないようだ。
さあ、来週。会議の場はアインの銃弾を受けどう転ぶのか。
まさか梧桐組の自演なんてことはないだろうが、各組織、各幹部の趨勢にも期待したい。
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最近、徘徊していると面白いのは各所でキャラの呼び名の表記が違っていることで、キャラやこの作品への見方が表れていて面白いと思います。アインをエレンに切り替えたり、ツヴァイの呼称を全廃する方も多い中、こちらは「エレン」抜き、視点によりツヴァイ(というかそちらが基本でしょうか?)という感じですね
ラストのアイン(コメントでは原則訪問先の表記に従っています)の目の描写が興味深いところでした。「玲二」に撃たれた時の情感あふれる目ではなく、かといって光の入らない、いわゆる「洗脳目」でもない微妙な感じで、どちら派の視聴者にも気をもたせる感じになっていて巧いですね(笑)
ガンマンは銃弾で語り合うというのを地で行く展開になりましたが、直接の対面も楽しみです
それでは失礼します
コメントを受けて初めて「民族性」という視点から本作を見てみました。確かにロスを中心にたくさんの国の人間があつまり悶着してますね。グローバルで民族性というものが薄れる現代社会にも個というものは存続し、それが発端で「自分は何者だと認識するのか」ということに繋がるのでしょうか。日本、ドイツ、そしてモンゴル。マフィア界は未だ二次大戦の真っただ中なんでしょうか。ロシュネンコがどこの人かと明確にされたかはちょっと記憶にないのですが、ロシアっぽいですよね。
私のブログでの名前の表記はwesternblackさんの言う通りです。やっぱりアインはアインかな、と。最初はダジャレみたいな名前だ・・・と思っていたのですが、今はもう愛着ありますし“1”という確固たる意味がありますからね。“エレン”はツヴァイの発言からして思いつきとしか思えない点で好きになれません。ツヴァイもいまはキャル関連以外ではほとんどツヴァイです。玲二という本名は別に嫌いではありませんが、やはり私の求める彼への期待像からするとツヴァイのほうが似つかわしいです。人間である前に暗殺者であれ! と意味の判らない理想を抱いてますからw
アインの目は・・・確かにどっちつかずですね。1話で見かけた制服の女の子も気になるところですが、登場すべきキャラはアインとサイスの復帰で全員揃った感じなのでしょうか。個人的にこの先は、どんな結末になるにしろ怖いもの見たさみたいな感覚になると思います。どのキャラも愛着が湧きすぎました!