【アニメ】ＣＡＮＡＡＮ ４話「呉れ泥む」【感想】

「おまえはアホですか？」

高垣さん挿入歌発売までの道のりが長いよ・・・。
　　　　　






前回の事件で亀裂が生じてしまったカナンとマリア。亀裂の原因はそれまでの生活環境の違いであって、どちらが悪いとは決して言い切れない。カナンについて、マリアが「普通の女の子じゃなかった」と気付かされたシーンの直後にカナンの銃弾摘出シーンを挿入したのが印象的でした。個人的に“カナンが普通じゃない”という点は視聴者の立場として１話からビシビシ伝わってきていたので、マリアの驚きや考えが少し今更感があったんですが、冒頭でマリアの心境語りをいれたことで巧く演出していたと思います。４話はそんな生活環境を超越した友情関係を再構成するために二人のそれぞれ奮闘する姿を描いたストーリーでした。

カナンはマリアとの友情をかなり大切に思っているみたいで、前回別れのシーンからするとちょっと意外。でもまあマリアの拒絶によるあっさり風な別れは、大切な友情だったからこそショックだったんでしょう。カナンという名はかつての恩人？ シャムに与えられたようで、どこかの言語で１って意味じゃないだろうなとか勘ぐりましたが違うようです。アルファルドとも別に血縁関係にあるわけではないみたいですね。そんなカナンは“こうなってしまった”原因潰しのためにアルファルドのもとへ！　まさに孤軍奮闘、個人的に念願のアルファルドとの対決でした。

アルファルドつええ・・・。アルファルドが「(カナンが自分の位置まで)落ちてきてくださった」とかなんとか言っていたことで、やはりカナンは只者ではなく、アルファルドといえども一線を画す戦士であることは間違いないみたいです。そんなカナンのミステリアスな強さや過去にも惹かれますが、私としてはアルファルドの台詞から溢れるカリスマ性がたまらん。上記台詞は文字だけ見れば卑下してる風な台詞ですが、アルファルドが言うと全然そんな風には聴こえませんね。だから咬ませ臭もしないし、逆に自分の才能をしっかり見極めている冷静さが伝わってきて、カリスマ性に一層磨きがかかった印象。これまでリャンを蔑ろにしていたことで“カナンの敵はアルファルド”という設定がいまいちピンと来なかったんですが、今回のカナンの回想やバトルのおかげでアルファルドをしっかり敵として見据えることができそう。シャムを殺した経緯やアルファルドの過去なんかはまだ明らかではありませんが、カナン近辺をとりまくバトルはかなり楽しみです。

一方マリアはどうしてあんな展開になっちゃったんだろうって感じ。カナンとの友情を確固たるものにしたい、だからカナンの全てを見たい、っていう彼女の心境はテンプレ的だけど、だからこそ判り易くいい決意だったと思います。が、何故か急に叫び出したあたりは解せない。まあ感情が昂じると彼女の電波具合に拍車がかかるのは判るんだけど、カナンに対して甘える甘えないの視点からすれば、あの場面の奇行はそれまでの台詞の説得力を瓦解させかねない意味不明な言動だろうと。ユンユンとのコンビ結成には一役買ったシナリオでしたが、マリアの心変わりをもっと別な方法で描けなかったのかな、とちょっと残念なシーンでもありました。

で、晴れてコンビ結成したラジオの二人ですが、ユンユンはまことなに者であろうか、と。前回、双子弟とヒソヒソやっていたから貧困層の勤労少女って設定を信じていいのかよく判りません、が、嫌いじゃないキャラです。一見阿呆なだけかと思いきや今回見せた気転の利かせからすると、意外と地に足が付いているという感じですね。今後、二人に友情が芽生えるのだとしたら「おまえはアホですか」という台詞が示すとおりユンユンがツッコミに回りそう。この二人にはカナン×アフルファルドとは対極の関係を築いて、和ませてくれるシーンに期待したいです。

ほとんどが二人の別の行動を追った展開でしたが、脇での夏目とサンタナの会話も興味深いですね。村を消した男サンタナ・・・。彼についてはまだまだ謎が深まります。


作画も相変わらず好調でよく動きます。カナンの回想で笑い転げるシーンとかマリアの表情ひとつにしてもかなり丁寧で、きっと１３話通してこのクオは保たれるはず。あとはストーリーにもう少し勢いが欲しいところ。

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