感想
ユンユンを中心に据えたエピソードで予想以上にすんなり旧の鞘に収まったカナン、マリアを描いた5話。個人的な予想通り、ユンユンは蛇側の人間でした。ボナーだったのは予想外でしたが、とりあえず敵側の人間を味方につけ、対蛇陣営の布陣が固まってきた様子とみていいのでしょうか。
ユンユン中心と言うことでどこか気の抜けたシーンも多々あり、本作特有のバトルシーンの緊迫感はありませんでしたが、仲直り展開には丁度いい塩梅の気の抜け方だったように思います。全13話の配分としては悪くない流れですね。ただユンユンのダイナマイトぼかーんで勢い任せに仲直りさせた感はちょっとあるかな。川岸でのシーンではもうちょっとカナン、マリアの台詞が欲しかったです。というのも、個人的に日式パブの裏でマリアの放った「殺さないで!」はかなり衝撃的な台詞でした。きっとカナンにとってもかなりキツイ追いうちだったはず。その辺のフォローがちょっと足りなかったかなという感じです。ただカナンも自ら言っていましたが、マリアの突発的メンヘラよろしく突発的殺意が芽生えるのは水中でのシーンでも明らかなので結局はどっちもどっち。今回もマリアだけがいけない、という見方が出来ない点は巧いなと思いました。
また今回はユンユン回でもあり、なかなかぎっしりなストーリーで満足です。
印象深いのがユンユンの日式パブ訪問、それとユンユンとリャン様のシーン。
前者は戸松さんのギャグ演技が光りました。現代魔法でプロポーション抜群キャラを演じていますが、どこかしっくりこないのはやはり胸だったかといま改めて思いました。戸松さん本人にその気配があるのかどうかまったく存じませんが、戸松さん演じる貧乳キャラはやけに嵌りますね。「詰めるべし、詰めるべし!」最高に笑いました。またカッコーとの会話で同郷出身者を懐かしむシーンも、カッコーの予想外のキャラを引き出したりといいシーンでした。カッコーの能力はなんなんでしょうね。まあ中の人的にムシウタ(個人的にアニメ版は詩歌の可愛さ以外黒歴史)のかっこうのような激しい能力を持っていそうもないですが、この辺は後々ってことでしょうか。
そんなギャグの裏でリャンに「死ね」と命じられるユンユン。リャンは・・・絶対関わりたくない上司的なキャラですね。ただそんなドSっぷりはユンユンの儚さを演出するには最高の組み合わせだったんじゃないでしょうか。ほんとに可哀相だったもん、ユンユン。「お前は何もないから死ね」という命令はことアニメに限ってはそう少なくないと思いますが、ユンユンの普段の明るさを知っているだけにガチで悲しくなりました。明るいというカテゴリ的にはマリアと通じるものがユンユンにはありますが、その明るさは決してマリアのような天然系ではなく作為的な明るさであるという事実が妙に悲しくさせますね。大した抗いもせず、自ら“何もないこと”を認めダイナマイトを身体に巻いてまで役に従順が頑張りっぷりが切ない。
そんなユンユンを抜群の天然ぶりで「仕事頑張ってるし美味しい御汁つくれるしっ」と励ますマリアはいいキャラしてんなあって感じです。最後ホテルの一室でのタッグ結成シーンでユンユンからかなり死亡フラグ立ってたように感じましたが、錯覚だったようで良かった。ファントムなら船着き場の家に鍵を閉めたところでピチュンいってたんだろうw とりあえずは生き残れたユンユンですが、リャンが言っていたように薬が必要ってことで彼女もストーリーのキーになりそうですね。
意外にも乙女チックな感傷を持つ戦士カナンと突発的メンヘラ症候群を抱えながらも根は素直で天然なマリア、そして盲腸を二つ持っているものの貧乳で薄幸、だけど頑張り屋さんなユンユンがくっついて蛇にどう対抗するのか今後楽しみです。