今期最終回第一号作品です。9月も半ばに差し掛かったとはいえ、水曜日はあと3週も残されているのだからもっともっと見ていたかった、そんな風に思わせてくれるいい作品でした。とはいっても始まる前は、そこまで百合好きではないのでそんなに注目はしていなかったんですが。
とりあえずどんなもんか見始めた1話。絵が柔らかくて、OPも柔らかくて、あーちゃんの兄貴への態度が可愛くて、とてもいい雰囲気。あーちゃんが定期だしてニッとしてるところが印象的でした。私も高校生のステータスといえば通学定期みたいな思いを抱いていた時期がありまして・・・笑 なんか共感してしまったのです(ちなみに中学のときは生徒手帳がステータス)。それと私自身過去に引越経験が多く、引越が絡んでる話好きなので正直1話のふみ&あーちゃんの再会だけで泣きそうになってました。OA前では本作は百合ありきという印象でしたが、1話見終えたときは百合を匂わせるものの、高校入学とか部活動とか引越とかありきたりな始まりに焦点を当てていてとても見やすかったというのが第一印象ですね。
2話以降は杉本先輩の登場で本題とも言うべく百合色が一気に強まり、ふみちゃんの回想やキス描写などかなり見る人を選びそうなシーンが増えました。ただ個人的には本作は百合がメインという風には決して思いませんでした。恋愛という大きな枠の中で一部方向性が百合だっただけで、基本的にカサヰ監督が視聴者に見せたいものは恋愛の素晴らしさ、友情の素晴らしさだったんじゃないかなと思います。だからもし女の子同士の恋愛なんてあり得ない! ということで見るのを止めてしまった人がいたら、恐縮ながら勿体ないですよと進言したいですね。また古都鎌倉という情緒ある景色が作風にぴったりで、地下鉄通いの経験しかない齷齪した高校生だった私にとって信じられないくらい穏やかで優雅な描写(お洒落な個人経営っぽい喫茶店でお茶とか! 渋谷新宿のマックとは格が違う笑)が多く、今更ながらとても憧れるとともに癒されました。
個人的には恭己が男前すぎてあまり百合という感じではなく、普通のラブストーリーに近いかたちで見られたので、百合だから云々ということは特段考えずに視聴しました。出てくる登場人物もあーちゃんをはじめ恭己の姉たちも比較的あっさりレズビアンを受け入れている様子だったので、同性愛故の苦難という面はほとんど描かれていないように思います。唯一ふみだけが“女の子だけ好き”っていう感じですが、傍から見ればイケメンに振り回される少女でしたね。勿論女の子であるということを前提にですが、どう見たって振る舞いが男にしか見えない恭己の振り回しっぷりには毎週ドキドキでした。また恭己は井汲さんの恋愛事情も一手に引き受け、モテる女は辛いよ状態でしたね。中盤ずっと恭己最強の流れでストーリーの流れを牽引してましたが、豪傑な姉たちの登場と先生の結婚でその壁も崩れ、恭己の弱い面にもしっかりスポットを当てた丁寧な展開はとてもよかったです。最後までふみとはしっかり仲直り出来なかったことは展開的にアリでもちょっと可哀相でした、が、それもまた恋愛といったところでしょうか。海外留学で一回りもふた回りも成長した恭己の後日談とか見てみたいです。
そして何といってもあーちゃんの素晴らしさ。もうほんっと可愛いしいい子。あんな妹がいたらそりゃ兄もああなるわ・・・ってならないだろ! 原作の始まりで兄貴はあーちゃんのベッドに潜り込んでますからね。ナイス改編としか言いようがない笑 まあ兎も角可愛いあーちゃん、本作一番の功労者でした。あーちゃんは最近多いどこもかしこも百合百合百合! という設定ではなく、百合の良き理解者、ふみの友人という設定をだったからこそ、最終回あんなにも綺麗に終われたんだと思います。あーちゃんも百合娘だったらドロドロすぎてああいうかたちで最終回は迎えられなかったはず。ふみと井汲さん、二人の猛烈に恋する女の子に挟まれながらもマイペースかつ友達を思いやれるあーちゃんは最高の癒しでした。それとプレゼントのセンスが最高でした、いらないけどw またあーちゃんがいたからこそサブキャラたちの活躍も見ることができました。その最たる実りが最終回で茂木があきら兄に手紙を渡したシーンでしょう。キャンプの話からぽっと出てきたサブストーリーでしたが急ごしらえな感じはなく、ドキドキな恋愛の良さをふみの精神的な恋愛描写とは対照的に手紙というモノで具現化したようなシーンでした。
最後に主役のふみ。デザ的には全然私の好みじゃないんですが、最終的にはかなり惹かれました。しっかりしてそうなのに言動も精神も幼くて、そんなギャップがよかったです。終始ふわふわ〜としてて最終回の「はやく来ないと置いていっちゃうぞ〜」とかそんな悪戯っぽい台詞がとても可愛いですね。何はともあれ高部さんの妙演が嵌っていたのは間違いありません笑(というかラジオ聴く限り素なんじゃないかとさえ思える)。で、ふみは主役でありながら最初の部活選びから恋愛までずっと振り回されっぱなしでした。10話で恭己に強気な見せた態度を見せたものの最終回でまた思い出しちゃったりして吹っ切れていたのか、と言われれば疑問です。でもそれもまたふみの、恋愛の、良さでしょう。兎も角最後の最後、ふみが大切なことに気付けて良かったです。本当に綺麗なシーンでした。特殊EDのサビが完璧な演出でしたね。強いて言えば、是非親友として付き合っていってほしい! ということくらいだけど、今後の彼女らの関係を考えるのは野暮かなとも。
主役級3人ふみ・あーちゃん・恭己の中の人、高部さん・儀武さん・石松さんを意識して見たのは初めてですが(高部さんは初声優ですが)、ほんとにキャラにピッタリなキャストでした。脇も堀江さんの安定しつつ熱の入った井汲さん、年の功なのかどこか浮世離れした能登さん長女、キリっとした目と辛辣な口調がぴったりな中原さん次女と本当に充実したキャストでした。
今思えばシリーズ構成に高山氏、そしてカサヰ監督と良アニメの気配はむんむんで、最終回を終えなるべくしてなった良アニメという感じですね。本当にいいアニメありがとうございました!
追記:ラジオはいつまで続くんでしょうかね。高部さんのキャラがツボなんでOA終了後も続けてほしいです。
ただいま、
アニメ調査室(仮)というブログで、
2009/7-9月期終了アニメアンケート
というものを行っています。
結果発表は、2009/11/7予定です。
もしよろしければ、
あなたのアニメ評価を教えてもらえませんか?
ご都合がつきましたらブログの方をご覧ください。
以上、
突然の書き込み失礼しました。