2009年12月15日

【アニメ】青い文学シリーズ 9・10話 走れメロス 前編・後編【感想】

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感想



関口君! 待っていたよ、関口君! 「魍魎の匣」に続き「狂骨の夢」がアニメ化とはね、ファンとしては本当に嬉しいよ。ところでついに小説家では食えなくなって舞台作家に鞍替えしたのかい? え、「狂骨の夢」じゃない? これは「走れメロス」だと……? そんなはずはないだろう? だって君は関口君じゃないか。え? 高田? 君は高田という名なのかい? 誰だ君は。

関口君カムバック!! もとい製作関係者は、中村亮介監督に百鬼夜行シリーズのアニメ化の話をはやく持って行くんだ! 桑島さんは「こころ」のお嬢さんではなく、もっと他に受けるべき仕事があったはずだ。それは本作の女性編集者役ではなかっただろうか。そしてメロスの妹の性格は、もっと病的にするべきだった。嘘です。演劇らしい大きな身振り手振りがとってもチャーミングでした。




さて、本シリーズで最も期待していた中村亮介監督の「走れメロス」。BGMから背景、小物そしてキャラデザさえもまんま「魍魎の匣」。キャラデザについては許斐先生原案というよりも、西田亜沙子氏、細居美恵子氏の作監による影響のほうがはるかに大きいだろうと思われ。また私の個人的な妄想ではあるが、2話連続で中村監督自ら絵コンテ・演出を務めた気合いの入りっぷりもファンとしては非常に嬉しいことだった。

ストーリーのほうはというと、メロスを演劇の舞台に封じ込め、現実世界で、かつて竹馬の友に裏切られた関口君くりそつの高田という舞台作家が主役。
今は国語で習うのかどうか知らないけど、日本で義務教育を受けたものならほとんどの人間が憶えているであろう「走れメロス」。ちなみに私は小学校の時の演劇大会のような催しでうちのクラスが「走れメロス」をやったことを憶えている。そのせいで、他の文学作品よりも記憶に残っている。そもそもあんな単純なストーリーは、そう簡単に忘れることはできまい笑
そんな知名度の高い原作を、本作はうまく利用したなあという感じ。原作のメインとなる直球の部分だけを舞台で見せ、他のところはある意味制作スタッフのやりたい放題、そんな風に思えました。そんな自由奔放に勝手に創作されたであろう高田と城島の友情物語。アツい。
くどいようですが高田は本当に関口君によく似ていました。そのおかげで本作に更にのめり込んで見ることができた、というのは少なからずあります。まあ高田のほうがどもらずにしっかりと自分の言うべきことを言えるし、性格的に関口君より数段正常で数段熱血かもしれませんが笑 舞台のナレーションもいい味出していましたね。「待つほうが辛いのか、待たせるほうが辛いのか」。東京へ発つ晩から15年、高田はずっと苦しめられてきたはずです。その思いが溢れた病室での城島との再会は、その単純さゆえダイレクトに訴えかけてくるものがありました。
また城島が自分の病気のことを言わず、高田に黙っていたのは彼に知らせてしまったら心配させて、地元へ帰ってきてしまうと思ったからではないでしょうか。苦渋の決断の末、城島は高田をずっと遠くから応援することに決めたのかもしれません。彼は高田を待たせた側でもあり、またずっと高田の活躍を待つ側でもあったのでしょう。最後に病室で高田に手を取られ号泣するシーンは反則的にアツく感動的だった。

今回主役を高田に、もとい木内さんにとられたような感じになってしまったメロス役の堺さん。舞台俳優も彼のレパートリーにあるようですが、そのせいか舞台上でのメロスの演技が非常に嵌っている気がしました。そして兎に角ビビったセリヌンティウスの弟子、フィロストラトス。本当にびっくりした。あの演技には度肝抜かれました。凄い、凄すぎた。



それから絵としては申し分ない面白さで、特に書き物机の上でバトルを繰り広げるメロスのところは思わずにやにやしちゃいますよね。高田のペンの走らせ方も、ちからが入っていてカツカツという音が格好いい。また舞台上では舞台らしくよく動き、現実世界のほうでは現実世界らしくよく動いていて、これらの描き方の違いもかなり楽しませてくれました。舞台上ではメロスの妹の動きがいちいちオーバーでよかった。現実では後編で城島が高田の部屋に来たときに(高田の妄想で)、眉唾してる彼が可愛すぎました笑 もっともこだわりがみられたのは原稿用紙の散らし方でしょうか。畳の段差にぶつかるってすごい描写ですね。



さて、そんなこんなで「走れメロス」も終わりです。本シリーズは基本的にアニメを見た後原作を読みたいと思うことが多いです。というかこれまでの全作でそう感じてきました。が、今回に限っては原作よりも「魍魎の匣」が見たくなりました笑 未開封のBDBOXをようやく開けるときが来たのかもしれません。それと中村亮介監督の次回作に大いに期待したいです。









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written by 亨太朗05:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 青い文学シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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